検索窓
今日:19 hit、昨日:3 hit、合計:5,868 hit

. ページ26

「A!」

テツ先輩が私の名前を呼ぶ。酷く疲れた、荒い息が混じった声。
少しだけ、その声に安心する。夕闇燈が心の中で呆れる。

「影山くん、殺すの?国王」

テツ先輩より先に、私は言わなきゃいけないと思った。

「私を殺さなくてもいいの?いずれ、影山くんの物になるこの国を滅ぼそうとしてるのに」

反逆者が国王の息子に向かって言う言葉ではない気がするが、それが、1番言いたかったことだ。

「……自分の気持ちより大切な国はないだろ。俺は、国よりお前の方が大切だと思う」

「…………ふ、それ、すごい恥ずかしい事なの気づいてる?それと、個人の事より国の方が大事だよ」

嬉しいけど、聞いていてすごい恥ずかしい。それを真顔で言われるのだから、照れ隠しでなくても笑ってしまうだろう。

「ね、他の皆さんも、それでいいんですか?私は、暴走して皆さんを殺してしまうかもしれない。裏切るかもしれないのに」

皆は顔を見合わせて、

「そしたらそれが運命だったって事だろ。で、そんな未来は見えるか?研磨」

「見えないよ」

泣き出しそうになる。


『残念だな。A、もう少しまともだと思ったのに。もう、要らないや。死んで?』

「夕闇燈。要らないのは、君だよ。

個人魔法、操作。夕闇燈の魔法を全て解除して」

最初から、自分でこの呪いは解けたんだ。魔法を使って、夕闇燈を強制的に出すことができた。でも、私は弱かったから、出来なかったんだね。私が独りになりたくないから、出来なかったんだね。

ねえ、もう、苦しまなくていいよ。

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
7人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , ファンタジー , 魔法学校   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:凛花 | 作成日時:2017年1月9日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。