宮治 ページ20
高校に入学して、一年以上経って。それなりに友達もできて、バドも頑張って、恋もしてきた。
顔は良くも悪くも平凡で。それなりに勉強はできるけど。食べるのが好きでぽっちゃりよりのデブだし、部活も好きな割には下手。
そんな私がモテるはずも、ヒロインになれるはずもなく、スクールカーストでは真ん中くらいに位置している。
スタイル良くもない、可愛いわけでも美人なわけでもない、部活で有名なわけでもない。これといって取り柄がない私だったから、先輩から告白された時には、信じられなかったけど嬉しくもあって。
少しずつ信じさせてくれたから受け入れたのに、その途端、「誰がお前みたいなの好きになるかよ、遊びだわ」なんて鼻で笑われて、先輩にあげるはずの弁当は行き先をなくした。
今まで誰のことも信じてなかった。表面上仲良くしていた人は沢山いるけど。だから、この人ならって思った時に裏切られたことはしんどくて。
こんな学校で白昼堂々泣くつもりはなくて。でもこんな悲壮感漂う顔を周りに見せるのもプライドが許さなくて。仕方なくＢ棟の人気のないベンチへ向かう。
弁当箱を開けても、珍しく食欲は沸かない。原因はわかっている。先輩にあげるはずの弁当と中身が一緒で、嫌でも思い出させられるから。
『一番楽しみな昼食なのになぁ、弁当見たくないなんて。』
自分を嘲笑う。
すると広げた弁当から卵焼きが消えた。
『え？』
驚いて振り向いたそこには、口をもぐもぐさせる、ミヤオサム。
言わずもがな、スクールカースト頂点の男。昨年同じクラスではあったけど、何も接点はなかった。
「美味い弁当やなぁ、食べんのなら俺が食べてええ？」
なんでここにいるの、とか。よく仲良くない人の弁当食べれるな、とか。言いたいことは沢山あった。けども驚きで出せた言葉はそれのどれでもなかった。
『あ、うん。もう一つあるからいいよ』
それを聞いて、目を輝かせたミヤオサム。お礼を告げると、先輩にあげるはずの弁当を持って
「これよな？」
と聞いてくる。頷く私。
それからミヤオサムは私の横に腰掛けて美味しそうにおかずを食べ始めた。
聞いてもないのに、美味い美味い連呼しながら食べてくれるものだから、思わず笑みが漏れた。
『そう言ってくれて、嬉しい』
「ずっとな、Aさんの弁当美味そうやなって思うとってん」
だから幸せやわ、なんて言うミヤオサムは学校で見る冷たい雰囲気を微塵も感じない。
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...syokatsu...(プロフ) - のりまきさん» そう言って頂けると嬉しいです！ありがとうございます！！ (2020年5月25日 15時) (
レス) id: b4154610b3 (このIDを非表示/違反報告)
のりまき - 初めまして！白布くん読ませて頂きました。とんでもなくキュンキュンしました作者さん天才です！！！これからも応援しています！ (2020年5月25日 2時) (レス) id: a2e04f6f11 (このIDを非表示/違反報告)
...syokatsu...(プロフ) - 美穂さん» そう言って頂けると嬉しいです。これからもっと上手く書けるように精進していきます！本当に今回はありがとうございました(^-^) (2020年5月1日 22時) (レス) id: b4154610b3 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - 大地さんの見ました。キュンキュンしました！ありがとうございます！ (2020年5月1日 20時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - ...syokatsu...さん» ありがとうございます！ (2020年4月30日 15時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：...syokatsu... | 作成日時：2020年3月5日 13時
