「おじさんの歳上の余裕的なあれ、私の好みなんですな。サトツさんとかその辺超良いと思う」 ページ9
数分総スルーを続けていたら男達は苛立ったのか、おい、と声を荒げて手を伸ばす。そこで初めて私は彼らの顔を見た。
原作でも見たこともない、目を逸らしたらすぐに忘れてしまいそうな顔をしている。これなら大丈夫か。
伸ばされた腕を掴み、予備動作も不要なので腕力だけで、一人の男を海にぶん投げた。
へ、と間抜けな声が落ちる。先に投げた方が水面に叩き付けられる前に素早くもう一人の腕も捕らえ、抵抗されるより早く同じように海に放り投げた。
「向こうに陸地あるから、頑張ってちょ」
船の進む速さに普通の人間が追い付ける訳もなく、しかもいきなり投擲される側になったのだから、当然反応は遅れる。
絶望した表情を晒した彼らには、背を向けた状態で思い切りサムズアップしておいた。
甲板でも一通り景色を眺めてすることがなくなってしまったので、船室に一旦戻り、船長さんがいるであろう操舵室に入る。
「こんちゃーっす」
「あん？ 何だ、嬢ちゃんか」
「ども。暇なんで操縦見に来ました」
船長さんはぼんやりと外を眺めながら、操縦桿を握って退屈そうにぎこぎこと木製のそれを揺らしていた。
「お前さん、悪戯も大概にしとけよ」
ふう、とパイプを咥えていた口から煙が吐き出され、別段咎めるような口振りでもなく、悪友の所業に呆れたように船長さんは言った。
「……何で分かったんです？」
「アホ、オレ様がこの船に何年乗ってると思ってんだ。揺れ方も船の速さも変わる」
「恐れ入りますねえ、年の功って凄い」
船長さんはそれ以上「悪戯」については何も言わず徐ろに振り返り、「やってみるか」と空いている手で操縦桿を指差した。
「良いんですか？」
「今は波も静かでトラブルもねえ。オレ様が直々に教えてやるよ」
「やったあ、一度やってみたかったんですよ」
飛行船の操縦ならミルキお手製のシミュレート装置でやったことがあるけれど、こういう比較的古いタイプの船はしたことがない。これも経験だ。
使い込まれているが、丁寧に手入れされた操縦桿を掴む。少し傾けると、船首が僅かに向きを変えた。
「どうだ」
「なんて言うか……思った通りに動きます」
「だろ？ こいつはオレ様の相棒だからな」
言うことも聞かないじゃじゃ馬に育てた覚えはねえよ、と言って、深く煙を吸い込む船長さん。何この人カッコいい。
ほかにも色々な機器があったので、少しずつ教えて貰った。これは役立つ情報に違いない。
「シャルさんとの仲はすこぶる良好なんだけれども、なんかこう、時々ヤベェ注文をつけられる」→←「ちなみにこの間レオリオは発見出来ず。どっかで船員さんと危ない話をしていると予想」
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ロキ(プロフ) - エーミール少年が登場しとる笑 (2020年2月20日 21時) (
レス) id: 2da3670e3a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» わーい閲覧ありがとうございますー！ うーん…原作軸に沿って動くだけでかなり暇がないので、子育てさせるなら捨て子拾うとかそんな感じになりますね (2017年3月26日 15時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 更新されたの見ました！後、質問です。将来フェイと夢主の間に子供とかできたりするんですか。フェイと夢主の子育てシーンとか見たいです (2017年3月26日 9時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫月さん» この小説ももう49話埋まってしまったよ…。言うてやったのは膝カックンだけどね！(ショボい)元の世界についてはまだ言及しないかな〜…といった感じ。ただどっかのタイミングで一時帰界させないとなあ、とは考えてる所！ (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ああああありがとうございます……！！！ (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
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