「クラピカに割と酷い発言しかしてない件について。キャラとしては好きだよ! キャラとしては!」 ページ7
「……女性から良い場所を奪うのもどうかと思うのだが……その、まあ……待っていた、ことになるのか」
「あは、まだるっこしいねえ。占領しちゃってごめんよ、クルタの少年や」
瞬間、一つ一つ丁寧に言葉を選択していたクラピカの挙動が止まる。「何故」と打って変わって警戒心だらけの声が、私に向けられた。キレやすい若者だこと。
「いやいや、そんな分かりやすい民族衣装、少し造詣のある人だったらすぐに分かるって。だからそんなに怒んないでよ、美人さんが台無し」
茶化すように言い放つと、クラピカは緩慢に自分の服装を確認する為に頭を下げ、次いで私に謝罪する為に深く頭を下げた。
「申し訳ない、早とちりだった」
「ううん、君の境遇を鑑みると、その反応も当然だ。こちらこそ無遠慮なことを言って悪かった」
「境遇……とは、やはり、」
「……嫌な、事件だったね」
クラピカが外に出たいなんて考えずに集落に残ったままだったら、ウボォーさんもパクさんも死ぬ未来はなかったんじゃないか、という意味での、嫌な事件。
しかし私の素敵な演技の成果もあって、クラピカは額面通りにその台詞を受け取ってくれた。
「君もハンター試験でしょ? ブラックリストハンター志望かな?」
「ああ。私は、奴らを許しはしない。必ず復讐を遂げる」
すっげえ必死で一所懸命なクラピカだけど、すまん、あの人達クルタ族なんて微塵も覚えてないんだ。
成る程これがすれ違いか、とぜったいに間違っていると分かっている感想を抱き、私は曖昧に微笑む。
「まだ若いんだから、無理しちゃ駄目だぜ、少年」
「……君も同じ位ではないのか?」
「…………私、もう二十六になるんだけど」
「にっ……!?」
私の妙に上からな物言いに違和感を覚えたのか、クラピカが年齢に関してツッコむ。本当のことを言えば、クラピカは大きく目を見開いて固まってしまった。
いやうん、もう知ってる、知ってるよ、私がこの世界ではどう頑張っても十代後半程度にしか見られないってことは。念の力で更にそれが助長されてるってことも。
若く見られ過ぎて色んな人に舐められるし、酒も煙草も買えやしない。お陰様で私だけおつかい要員から外された。貴重な交流の時間を削られて怒り心頭である。
「……その、てっきり、十七、八かと……」
「慣れてるから気にしてないよ、落ち込みなさんな少年」
「ちなみにこの間レオリオは発見出来ず。どっかで船員さんと危ない話をしていると予想」→←「クラピカクラスタの方には申し訳ないけど、現状クラピカのことは敵認定しかしておりませんね!」
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ロキ(プロフ) - エーミール少年が登場しとる笑 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 2da3670e3a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» わーい閲覧ありがとうございますー! うーん…原作軸に沿って動くだけでかなり暇がないので、子育てさせるなら捨て子拾うとかそんな感じになりますね (2017年3月26日 15時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 更新されたの見ました!後、質問です。将来フェイと夢主の間に子供とかできたりするんですか。フェイと夢主の子育てシーンとか見たいです (2017年3月26日 9時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫月さん» この小説ももう49話埋まってしまったよ…。言うてやったのは膝カックンだけどね!(ショボい)元の世界についてはまだ言及しないかな〜…といった感じ。ただどっかのタイミングで一時帰界させないとなあ、とは考えてる所! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ああああありがとうございます……!!! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
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