「煽り大好きウボォーさんとかフィンとかと一緒にいたら癖になっちゃうよね、って言い訳」 ページ40
ほんの数メートルばかりの空間を隔てて、ヒソカさんはクラピカ達と明確に敵対する。ヒソカさんの手の中を高速で移動するトランプだけが音を立てていた。
周りにも数十人、取り残された受験生がいるが、誰も動けない。ただクラピカは、私がヒソカさんの隣にいることに複雑な表情を見せている。
まあ、彼はどうせ敵になるし、良いや。レオリオはどうにかするとしよう。
「二次試験くらいまではおとなしくしてようかとも思ったけど、一次試験があまりにタルいんでさ♠」
子供に見せるような笑顔で、狂気じみた言動。ヒソカさんがこんな言葉遣いするのはやっぱり初期ならではだろう。録音してえ。
「ボクが君達を判定してやるよ♣」
猛禽類を思わせる鋭い金色の目が、霧をものともせず選考される側を貫いた。
半ば自棄になっていたであろう受験生が気丈にもヒソカさんを罵倒するが、一秒と待たずに殺害される。躊躇いのなさが半端じゃない。
「失礼だな♠キミとボクらをいっしょにするなよ♦」
不満そうに唇を尖らせるヒソカさんの台詞。その一部に、原作との差異を発見してしまった。
「……ら?」
「ボクら♥冥土の土産におぼえときな♣奇術師に不可能はないの♥」
……わ、私が巻き込まれても別に良いって言ったからって、全力で引きずり込みやがった……! 戦うつもりはなかったのに! 言葉が足りなかった!
慌てて渦中から離脱しようにも、周囲は既に有象無象に包囲されてしまっている。そこをヒソカさんが煽るもんだから、高まった殺意は一気に爆発した。
包囲の輪が乱れた隙を狙ってヒソカさんから離れるも、何ということでしょう、私を標的にする輩が何人かいるじゃないか。何でや。
「ちょちょ、ちょーっと待とう! 私君らに何もしてないよね? 君らが挑むべきはヒソカさんじゃない? まさかとは思うけど弱そうな私からって魂胆じゃないよね? だとしたらすっげえダセェよ君ら!」
敵意がないことを示す為に両手を掲げたのだけれども、どうやらそれすら煽りと取られたらしく、釘バットやら何やらを構えて襲いかかってくる男共。
ヒソカさんの所に誘導しても良いんだけど……この人達に罪はないし、むざむざぶち殺すのも忍びない。ここは平和的解決と行こう。
背負っていた鞄の中に手を突っ込み、大量に入っている紙の内の一枚を掴んでオーラを込める。具現した瞬間取り出せば、ただ鞄にしまっていただけの折りたたみナイフの完成だ。
「イルミさんが暗殺一家の長男ってことを思い知らされる体験だったよ……サダソになった気分だった」→←「どんな屁理屈で彼らを良い感じに誤魔化そうか、それともいっそ敵対しちゃうか、どうしましょうかね」
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ロキ(プロフ) - エーミール少年が登場しとる笑 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 2da3670e3a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» わーい閲覧ありがとうございますー! うーん…原作軸に沿って動くだけでかなり暇がないので、子育てさせるなら捨て子拾うとかそんな感じになりますね (2017年3月26日 15時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 更新されたの見ました!後、質問です。将来フェイと夢主の間に子供とかできたりするんですか。フェイと夢主の子育てシーンとか見たいです (2017年3月26日 9時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫月さん» この小説ももう49話埋まってしまったよ…。言うてやったのは膝カックンだけどね!(ショボい)元の世界についてはまだ言及しないかな〜…といった感じ。ただどっかのタイミングで一時帰界させないとなあ、とは考えてる所! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ああああありがとうございます……!!! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
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