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「これから私はヒソカさんの霧中の凶行を目の当たりにする訳だけど、そういえばクラピカ達おるやん」 ページ38

地上に出た──とは言え、鬱蒼とした緑が茂り、鳥とも獣ともつかぬ生物が鳴き、じっとりと霧に包まれたここでは、爽やかな感慨など浮かぶ訳もないが。

シャッターを通過すると、イルミさんはふらりとどこかへ消えてしまった。マラソン中は他の人の意識が逸れているから良いが、僅かなインターバルである今、私達と(主観的に見て)仲良く話しているのを見られるのは避けたいのだろう。

背後では、出口付近の階段に倒れ伏して腕を伸ばす名も知らぬ受験生の目の前で、非常にもシャッターが重々しい音を立てて閉じていた。

これから先の惨劇を考えると、彼は今年ここで落ちて運が良かったと思うべきだ。来年はキルアの手によって即落ちだし、命があるだけ良いじゃない。

まあそんなモブの話は忘れるとして、だ。

「……ヒソカさん」

「何だい?」

「距離近くないっすかね」

さっきから、ヒソカさんの距離感がバグってる気がしてならない。手を伸ばさずとも気を付けの姿勢で触れられるくらいには近え。

「んー……オーラの流れを感じてる♥」

「いやそんな取って付けたようなこと言われましても……」

「嫌ならやめるけど♣」

ちら、と視線が向けられる。少しだけ寂しそうな色合いの混じった目。分かってる、こんなの演技だってのは。演技派ヒソカさんならこの程度しれっとやってのける。

「……いや、別に、ヒソカさんが良いなら良いですけども」

「やった♥」

それでも何も言えないんだよなあ……! この人自分の魅力とか一切合切把握して分かっててやってるからタチが悪いわ。それを理解してるのに上手いこと拒否出来ない自分も憎いわ。こんちきしょう。

などと、二人で無用な問答を続けている内に、いつの間にサトツさんの詐欺師の塒についての説明が終わったのか。


「ウソだ!! そいつはウソをついている!!」

と叫びながら、血まみれの男が階段入り口の陰から現れた。

ヒソカさんは一瞬だけ目を細め、すぐに興味を失くしたようにどこからかトランプを取り出す。……今マジでどこから出した?

「気付いてる?」

摩訶不思議な洋服構造に眉を顰める私に、着用主が問う。何に、だなんて馬鹿げた質問返しはしない。

「体の構造が違いますね。あと、オーラも、人間の流れとは違う。そもそも纏えてない時点でお察しって感じでしょう」

「くくく、流石にこの程度は分かるよね♦」

「それはちょっと、私のことナメすぎじゃあございやせん?」

「念には念をって言うだろう?」

「どんな屁理屈で彼らを良い感じに誤魔化そうか、それともいっそ敵対しちゃうか、どうしましょうかね」→←イラストありがとうございます!!



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ロキ(プロフ) - エーミール少年が登場しとる笑 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 2da3670e3a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» わーい閲覧ありがとうございますー! うーん…原作軸に沿って動くだけでかなり暇がないので、子育てさせるなら捨て子拾うとかそんな感じになりますね (2017年3月26日 15時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 更新されたの見ました!後、質問です。将来フェイと夢主の間に子供とかできたりするんですか。フェイと夢主の子育てシーンとか見たいです (2017年3月26日 9時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫月さん» この小説ももう49話埋まってしまったよ…。言うてやったのは膝カックンだけどね!(ショボい)元の世界についてはまだ言及しないかな〜…といった感じ。ただどっかのタイミングで一時帰界させないとなあ、とは考えてる所! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ああああありがとうございます……!!! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2016年8月19日 0時

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