「何？ 考えることが卑怯だって？ 黙らっしゃい逆にヒソカさん相手に真っ正面から行く奴なんてゴン君ぐらいのもんだよ」 ページ35
その後は取り止めのない話をしながら走り続け、いよいよ階段に差し掛かった。ここに来るまでに五本くらい針が飛び交ったのは良い思い出。
「……そういえば、A♦」
「何ですか？」
次はいつ何が来ても避け切ってやる、と意気込む私に、対照的に極自然体で走っているヒソカさんが私の方を見た。身長差があるので見上げなければならないのが辛い。
「君はある程度の未来を知ってるって言ってたけど、それ、ボクの能力も全部分かってるってこと？」
「えあっ……あ、のー……そ、……そうだと思います？」
「思ってるから聞いたんだろ♣」
やっベー、割と痛い所突かれたよ。交換条件的に私の能力を公開したくないからその辺は黙ってたのに。
しかしヒソカさんの語り口、これは完璧に確信を得てる時のものだ。隠し通すのは難しいどころの話じゃない。
「……ええ、まあ。はい。ある程度は」
「ある程度、だけ？」
「…………多分全部知ってます……」
作中で公開されなかった範囲に何か新しい能力があったのかも知れないが、私が知っているのはいつもの二つだけ。
バンジーガムとドッキリテクスチャー。ヒソカさんが使うからこそ、常軌を逸する力を発揮する、ヒソカさんに相応しい能力。
「この二つは把握してますけど……ヒソカさん知られても良いタイプでしたよね？」
「まあね♣」
「じ、じゃあもうこの話は終わりってことで、一つ……」
両手の平をヒソカさんに見せ、冷や汗をかきながら苦笑い。にーっこり微笑むヒソカさん。無言の圧力。深まる笑顔。吹き出る嫌な汗。
「……ふ、二人きりになったらで、良い、ですか……」
「オーケー♥楽しみにしてる♥」
負けた……普段割りかし話好きなヒソカさんの沈黙に勝てなかった……狡いようだけど私の能力は一切を秘匿しておくつもりだったのに……
こっちの世界に来たからには、一回ぐらいヒソカさんと戦っておきたい。出来れば一発くらいは攻撃当てたい。その為に情報も管理しておきたかったのだが……まあ、仕方あるまい。
階段をもう何段上がったろうか、良い加減外の空気も吸いたくなって来た頃、漸く外の光が上方に見えた。
「ヌメーレ湿原か」
「ええ、そうで……って、な、何で分かったんですか！？」
霧が嫌いなのか面倒そうな溜息を吐くイルミさんは、さも当たり前のように次の場所を当てて見せた。
驚いてイルミさんを見上げると、「地理を把握してれば分かるでしょ」と言われた。流石ですとしか言えねえ。
イラストありがとうございます！！→←「ヤバいよイルミさんマジ怖い。下手なこと言ったらすげえ重低音の尋問が待ってるもん。軽々しく話題振れねえわ」
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ロキ(プロフ) - エーミール少年が登場しとる笑 (2020年2月20日 21時) (
レス) id: 2da3670e3a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» わーい閲覧ありがとうございますー！ うーん…原作軸に沿って動くだけでかなり暇がないので、子育てさせるなら捨て子拾うとかそんな感じになりますね (2017年3月26日 15時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 更新されたの見ました！後、質問です。将来フェイと夢主の間に子供とかできたりするんですか。フェイと夢主の子育てシーンとか見たいです (2017年3月26日 9時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫月さん» この小説ももう49話埋まってしまったよ…。言うてやったのは膝カックンだけどね！(ショボい)元の世界についてはまだ言及しないかな〜…といった感じ。ただどっかのタイミングで一時帰界させないとなあ、とは考えてる所！ (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ああああありがとうございます……！！！ (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
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