「年齢ネタはもうこの辺で十分かな。天丼し過ぎてもあれだしね」 ページ23
「ごめんなさい。……助けてくれて、ありがとう」
……成る程。
「どう致しまして」
何に対してのごめんなさいかは、この際聞かないとして。何だか微妙な空気になってしまった所に、どっかんと船長さんが突っ込んで来た。
「終わったか? ったく、オレ様を放置しやがって」
さも不服そうに酒瓶から酒をラッパ飲みし、「だが」と付け足す。
「今日のオレ様はすごく気分がいい! お前ら全員、オレ様が責任もって審査会場最寄りの港まで連れて行ってやらぁ!」
ゴン君がおずおずと、試験は大丈夫なのか問うと、平然と忘れちまったと言い放った。もしかして作中きっての良い人なんじゃないか、船長さん。
彼が舵取りを教えると行ってゴン君を持っていった直後、クラピカがふ、と溜息にも似た笑みを漏らした。いつの間にか、空は晴れ渡っている。
「非礼をわびよう。すまなかった、レオリオさん」
「何だよ、水くせえな。レオリオでいいよ、クラピカ。オレの方もさっきの言葉は全面的に撤回する」
漸く仲違いをやめた二人は互いに顔を見合わせて笑い合い、それから、恐る恐るといった様子で私に目を向けた。しまった、さっさとお暇すりゃあ良かった。
「その……貴女にも、迷惑を」
「いや全然気にしないで。マジで」
「そういう訳にもいかねえよ。あんたがいなかったら、これから同業者になる奴を一人死なせちまってた」
真っ当な人間を代表するかのような真っ直ぐな声色で、レオリオが主張する。完璧に私自身の為にやったことなんだけど、それを説明するのは不可能だし、適当に合わせておくか。
「それもそうだね……私は別に気にしてないんだけど、君達は不服そうだし、何かお願いでもしようかな」
随分昔に、シャルさんにハッキングを教わった時のことを思い出す。何でハンター世界の皆々様は意地でも借りを作りたがらないのかね。
さあ何を要求するんだ、と身構える二人に、私はおどけた調子で両手を広げた。
「改めて。私はA。人探しの為にハンター試験を受ける、下らねえアラサーだ。こんな私と仲良くしてくれ、ってお願いでどうだい」
全くもって仲の良いことに、二人はまたお互いの視線を絡ませ、拍子抜けした様子で目を瞬かせた。
「……そんなことで良いのか?」
「そんなことって何だよ、この歳になると見知らぬ土地でぼっちは辛いのに友達は作れないんだぞ」
「あんたそんな歳なのか?」
「もう二十六」
「…………!?」
「昔友達が『これ友達いない奴だったらどうすんだよ』とか言っててその発想に軽く引いた」→←「なんかただいたいけな子供に説教かますクソババァみたいになってるんですけどやだー!」
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ロキ(プロフ) - エーミール少年が登場しとる笑 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 2da3670e3a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» わーい閲覧ありがとうございますー! うーん…原作軸に沿って動くだけでかなり暇がないので、子育てさせるなら捨て子拾うとかそんな感じになりますね (2017年3月26日 15時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 更新されたの見ました!後、質問です。将来フェイと夢主の間に子供とかできたりするんですか。フェイと夢主の子育てシーンとか見たいです (2017年3月26日 9時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫月さん» この小説ももう49話埋まってしまったよ…。言うてやったのは膝カックンだけどね!(ショボい)元の世界についてはまだ言及しないかな〜…といった感じ。ただどっかのタイミングで一時帰界させないとなあ、とは考えてる所! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ああああありがとうございます……!!! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
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