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「さて今作中に一次試験会場に辿り着けるのだろうか」 ページ19

甲板で空の青さに憧れること数分。ギィ、と木製だというのに錆びたような音を立て、船内に繋がる扉が開いた。

咄嗟に木箱の陰に隠れて様子を伺う。べ、別に不審者じゃないんだからね! なんておふざけはさておき。

出て来たのはゴン君。何やら険しい顔で空を仰ぎ、鳥達の声に耳を傾けている。来たる第二弾の予兆を感じ取っているのだろう。

次いでそこに、船長さんが現れた。原作通りの会話を交わす二人に、やっぱりどうしても感動は隠せない。

私これから原作に沿ってハンター試験受けんだぜ? マジかよ奇跡かよ。早く行きたいってのも本音だけど、ファンとしては中々どうして嬉しい訳で。

色々教えてくれるらしい船長さんの後について走り去ったゴン君の姿を見送ってから、こそっと日差しの中に戻る。

船中に響き渡る船長さんの善意の避難勧告を聞きながら、木箱に座ったり寄りかかったりしている船員さん達を眺める。

思い思いに休憩を取る人達を見ていると、何となく和むような、そうでもないような。可愛い子の一人や二人いないものか。

「嬢ちゃん、逃げなくていいのかい」

空気こそ柔らかいもののむさ苦しいことに変わりはない光景に心臓がきゅっとなった頃、不意に横から声を掛けられた。

──随分、気配が希薄な人だ。反射的に“凝”をすると、その男性は大袈裟に仰け反って苦笑する。念能力者だ。

「おいおい、やめてくれよ。オレは所詮ハンターのなり損ないで、たまたま念を知っただけの凡人だからさ」

「にしてはどうも、“絶”の上手いこって」

「手厳しいなあ……嬢ちゃんこそ、強いだろう。どうだ、船内を殲滅するのに、何分掛かる」

「五分。“発”使うなら三分」

「自信家だ」

「これでも必死で鍛えて来たんでね」

からかうような軽い口調。うっかり口を滑らせそうな語りには、嫌でも警戒せざるを得ない。何を考えているのか分からず、ついつい鋭い目を向けてしまう。

「いいねえ、オレも嬢ちゃんくらい才能がありゃあ、今頃シングルハンターになって活躍してたろうに」

「……まあ、どちらかと言えば、私はハントされる側ですけども」

しみじみ呟く男性に、ちょっとした牽制も兼ねてそう言った。するとどうだろう、彼は好奇心を剥き出しにした目で、ぐいと距離を詰めてくる。

「そうなのかい! そいつぁ面白い。何人手にかけたんだ?」

「数えてない」

「はは、怖いな」

この人の顔は、果たして原作に出て来ただろうか。私の記憶には、ない。

「場を繋ぐ為だけに作ったモブだよ! 別に重要なアイテムをくれるとかそんなんはない!」→←「もう少しで着くと思うと心踊る所がなくもないけど圧倒的に清涼剤が足りねえ」



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ロキ(プロフ) - エーミール少年が登場しとる笑 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 2da3670e3a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» わーい閲覧ありがとうございますー! うーん…原作軸に沿って動くだけでかなり暇がないので、子育てさせるなら捨て子拾うとかそんな感じになりますね (2017年3月26日 15時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 更新されたの見ました!後、質問です。将来フェイと夢主の間に子供とかできたりするんですか。フェイと夢主の子育てシーンとか見たいです (2017年3月26日 9時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫月さん» この小説ももう49話埋まってしまったよ…。言うてやったのは膝カックンだけどね!(ショボい)元の世界についてはまだ言及しないかな〜…といった感じ。ただどっかのタイミングで一時帰界させないとなあ、とは考えてる所! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ああああありがとうございます……!!! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2016年8月19日 0時

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