「この流れはあと一回やる予定。そんでゴン君が可愛過ぎてプリ○ュアレベル」 ページ15
ゴン君は私の気迫に押されたように一瞬目を見開き、控えめに「どんな人?」と問い掛けた。
思い浮かべてみる。一年にすら満たない短い時間の中で、私を好きになってくれた人を。何よりも優れていて、その癖ーーいや、だからか自分のことを省みない、危なっかしい人を。
「……素敵な人、かなあ」
頭は(おかしいけど)良いし、顔も(冨樫先生めっちゃ顔芸させるけど)良いし、戦闘技能だって(未知数過ぎて何とも言えないけど)高いし。
素敵な人の一言に集約するのは勿体無いくらい、兎にも角にも素敵な人。改めて、何であの人が私なんぞを好きになったのか真剣に不思議だ。
「その人の為に、今まで頑張ってきたんだ」
それだけではないけれど、まあここはこう言っておけばゴン君の感性的に好感度が上がるだろう。という奸計も組み込みつつ、最後の一口分を口に放り込む。
ゴン君は何かを考えるように数秒船の床と睨めっこしていたが、不意に得心がいったのか、明るい笑顔をぱっと開かせた。
「Aさんは、その人のことが好きなんだね!」
ゴン君の余りにも純粋な様子に、一瞬ぐっと押し黙ってしまう。いやうん、好きだよ、好きだけどさ。多分この子勘違いしてる。私が物凄い執着心を持ってる女だと思ってる。
「あー、まあ、好きと言えば好きなんだけど友愛的な好きっていうか……私旦那いるし……」
何かとこじれるのはごめんなので素直に真相を告げると、ゴン君は手に持っていた串をぽとりと落とした。目を口がぽっかりと開いている。
「…………Aさん、結婚してたの?」
「……あ、あぁー、はい。因みに幾つくらいに見える?」
「……十八、九?」
「二十六です」
ゴン君の表情が凄いことになった。念能力で若く見えるってのもあるけど、そうか、ゴン君にまでそんな若く見られるんだ……喜ぶべきなのか悲しむべきなのか。
「四捨五入したら三十のおばさんだぜ、私」
「そうは見えないよ! すっごく綺麗だもん!」
「やだ照れる、そんなにおだてたらお小遣いあげちゃうぞ」
ゴン君がフォローらしき何かをしてくれる。割と嬉しかったし「もん」って言うのが可愛かったので五百ジェニーあげた。
硬貨を遠慮がちに、大事そうにポケットにしまったゴン君は、さっき落とした串を拾ってゴミ箱に投げ入れ、きちんと姿勢を正して座り直した。
「そっかー……じゃあオレ達、お揃いだね」
「うん? お揃い?」
「オレもAさんも、大事な人を探してるから」
「愛しのダーリンの声を聞くだけじゃもう足りない! 会いたい! 一緒に来て欲しかった!」→←「この適当な会話が何だかんだ言って一番楽しかったりする。旅団でこんな気の抜けた会話出来ないもん……」
764人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ロキ(プロフ) - エーミール少年が登場しとる笑 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 2da3670e3a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» わーい閲覧ありがとうございますー! うーん…原作軸に沿って動くだけでかなり暇がないので、子育てさせるなら捨て子拾うとかそんな感じになりますね (2017年3月26日 15時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 更新されたの見ました!後、質問です。将来フェイと夢主の間に子供とかできたりするんですか。フェイと夢主の子育てシーンとか見たいです (2017年3月26日 9時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫月さん» この小説ももう49話埋まってしまったよ…。言うてやったのは膝カックンだけどね!(ショボい)元の世界についてはまだ言及しないかな〜…といった感じ。ただどっかのタイミングで一時帰界させないとなあ、とは考えてる所! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ああああありがとうございます……!!! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ