「やっとこさ一巻の最初に入ったのだけれど、ゴン君の純粋さに早くも心折れそう。目が! 目が焼ける!」 ページ13
片手でギリギリ抱えられる量の食べ物を買い漁ってしまった時には既に遅く。まあクラピカとかにあげればいっか……などと考えながら、そろそろ二時間が経つので港に戻る。
「外はカリッ! 中はふわっ! 鮮魚だけを使いました!」という宣伝文句で売られていたお魚団子を頬張りながら歩いて行くと、抱き合っている二人の男女を発見。
あれは……ゴン君とミトさんじゃあありませんか。邪魔をしないように、そうっと降ろされていたタラップで船に乗る。
甲板の柵に肘を置いて眺めていると、ゴン君が小指をミトさんに突き出した。そして何回か上下に振ったかと思えば、親指をくっ付けて唇を尖らせる。何だあれ妖精さんかな?
アニオリの天使っぷりが生で見れるとは、破壊力やべーなおい。何あの子? 何でこんな血生臭い現世に舞い降りてるの?
誓いのちゅーが終わったらしく、ゴン君は名残を振り切るようにタラップを駆け上った。どうやらゴン君が最後の乗客だったようで、彼が船に足を着けたと同時に船員さん達がタラップを片付けに向かう。
ゴン君は俯いて口を固く一文字に結んでいたが、船が動き出すと、そんな素振りを一切見せずに振り向き、ポールを手を掛けて身を乗り出し、大きく手を振った。
「元気でねー!! 絶対、立派なハンターになって戻ってくるからー!!」
ミトさんの表情が分からなくなるくらい遠ざかるまで、ゴン君は手を振り続けていた。どう考えても天使です本当に以下略。
原作通りにゴン君に何やかんやと牽制っぽい何かをするオッさん達はいたが、ゴン君は構わず船内に入る。丁度通りすがった船長さんが空を見上げ、ぼそりと「荒れるな」と呟いていた。
コミックス一巻、一話終了か。凄い興奮してきた。やっと私も原作の流れに乗ったかと思うとめちゃくちゃ滾る。
さり気なく、ゴン君の近くを歩いてついでに観察する。念の存在すら知らないのに垂れ流しのオーラが整っている、これが天賦の才ってやつか。
「ねえ、お姉さん」
「へ?」
畜生その才能寄越せよ、とか考えながらゴン君の前を通り過ぎる瞬間、一体どんなミラクルかゴン君に呼び止められた。
「えっと……私?」
「うん。もしかして、お姉さんもハンター試験を受けに行くの?」
「ああ、まあ、そうだけど……」
「そうなんだ! オレと同じだね!」
うわあああ笑顔が眩しい……ッ! ちょっと待って旅団でダークサイド的感覚が鍛えられた私には君の笑顔眩し過ぎる! 最早凶器!
「この適当な会話が何だかんだ言って一番楽しかったりする。旅団でこんな気の抜けた会話出来ないもん……」→←「コミュニケーション大事。これどの世界でも共通。何はともあれ魚が美味いから良いんだよ!」
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ロキ(プロフ) - エーミール少年が登場しとる笑 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 2da3670e3a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» わーい閲覧ありがとうございますー! うーん…原作軸に沿って動くだけでかなり暇がないので、子育てさせるなら捨て子拾うとかそんな感じになりますね (2017年3月26日 15時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 更新されたの見ました!後、質問です。将来フェイと夢主の間に子供とかできたりするんですか。フェイと夢主の子育てシーンとか見たいです (2017年3月26日 9時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫月さん» この小説ももう49話埋まってしまったよ…。言うてやったのは膝カックンだけどね!(ショボい)元の世界についてはまだ言及しないかな〜…といった感じ。ただどっかのタイミングで一時帰界させないとなあ、とは考えてる所! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ああああありがとうございます……!!! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
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