幸せになって欲しいから ページ14
❤️
「A、……Aっ」
前だったら、名前を呼べば嬉しそうに笑ってくれた。なのに今はこの声が無いものとして扱われてしまっている。泣きそうだった。触れているのは彼女のはずなのに。
『なにも言えなくてごめんなさい』
「っ、いいよ、……言わなくったっていいよ」
だから。聞こえてよ……っ、
🩷
「前から夢だったんだーっ!海外で仕事なんてかっこよくない??」
そう明るい未来の方を見ながら話す彼女は綺麗で、今でも十分彼女はかっこよかった。応援しなくちゃいけない。していいのかも分からないけれど。
「うん、かっこいいよ」
「へへっ、でしょー?」
邪魔はもう、出来ないから。
🩵
「うん……。幸せよ、幸せにしてもらってる」
淡々とそう事実を伝える彼女の言葉が胸に刺さって痛い。あの日、叶えられなかった僕の夢と、誰かが叶えた彼女の幸せ。幸せそうで良かったと心から思っているのに。
「……。その幸せは離しちゃダメだよ」
「……、うん」
僕が幸せにしたかった。
💛
「……!そまちゃ……、」
時が経つのは早いもので、彼女の人生で1番幸せな日を迎えた。当日まで迷ってしまっていたが花嫁姿の彼女を見れたことは少しだけ嬉しかった。
「……結婚、おめでとう。A。急に連絡来るから驚いたよ」
「来ないかと、思ってたよ」
あぁ、……本当に。綺麗だな。
💚
「……散らかしすぎた」
ふと我に返れば広がる思い出に囲まれていた。色付いたあの日々はどう頑張っても再び手に収まることはなく、現状何をしたって変わらない。
「……ちゃんと伝えとけば良かったな……、好きだって」
「愛してるって、言えばよかった」
ね。オレと居た日々は幸せだった?
43人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
える - あ、大好きな予感… (3月18日 21時) (レス) @page1 id: bc7069de6d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Stellar | 作成日時:2024年3月18日 19時