イラつくあいつ ページ7
まふまふside
「まふぅ、絶対気になってるでしょ、あの子」
彼方はあれからずっとこんなことを言ってくる。今度は冷蔵庫にでも閉じ込めてやろうかな。聖太にはコーラ、一気飲みしてもらおう。うん、そうしよう。
「まだ言ってるの?もういいからさ、今日何する?」
「え〜、じゃあ告りに行こ」
「だから!もういいんだってば!」
「こわ〜!まふくん怒っちゃったよォ」
せっかく女子も誰もいない放課後なのに、これじゃ、台無しじゃんか。いつも教室に残ってるわけじゃないけど、今日は半日で終わるって聞いてたし、最高じゃん。なのになんでこんなにイライラしなきゃいけないの!なんで!
「まあ、そろそろ、帰ろっか?」
「え?もうそんな時間なの」
「そうだよねぇ、久しぶりに女子いないから、めっちゃ早く時間過ぎてくわ」
僕はずっとからかわれてたんだけどなぁ。2人が帰ると言うなら帰ろう。教室に長居しすぎても先生に怒られるのがオチだし。
名残惜しいけれど、僕達はカバンを持って、教室を出る。
「そういえばまふ、上の階って1年でしょ?行ってみる?1年教室。」
「お〜いいじゃんか。まふくん行ってみたらァ?」
「ばかじゃないの?行くわけないじゃんか。そもそも、もう誰も居ないでしょ?」
「意外といるかもよォ??」
聖太はそう言って、軽い足音で上に上がる。いないでしょ、ばかだなぁ。
「誰もいないよォ〜」
上から声がする。すぐに降りてきた聖太は少しガッカリしている気もする。
「はいはい、行きますよ」
「いたら面白かったのに。ついてないなぁ。」
いつもこんなにからかわれることは無いんだけどな。
彼方と聖太と3人で帰るのも久しぶりだ。廊下を3人で歩くのも。何回言っても懲りない女子にはもううんざりなんだけど。もしかした、僕は女子に向かって、あの子と同じ顔をしているのかもしれない。
はっ、なんでこんなことを考えるんだ。イラつく!
「ん?何あれ」
彼方が、靴箱に近づいた時、何かを見つけた。衝動的に拾うと、それはAと書かれたメモ帳だった。
「メモ帳かな、Aって書いてある。」
彼方さんはペラペラとメモ帳を見ている。
「何やってるの!?彼方!?」
彼方のド天然でAさんのメモ帳を開いてしまった。
「あ」
彼方の手が止まる。好奇心で、メモ帳をみてしまう僕と、聖太。
そこには、「歩く騒音ボックスな御三方」と書かれていた。
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猫(プロフ) - 私は待ってますよ!! (2020年12月14日 0時) (レス) id: f6b1fd4935 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 続きは出さないんですか?? (2020年12月14日 0時) (レス) id: f6b1fd4935 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 最高です!! 続き待ってます! (2019年11月20日 23時) (レス) id: 5cebca09c0 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 続き楽しみにしてます!本当に大好きです!! (2019年8月17日 13時) (レス) id: 91adf27aab (このIDを非表示/違反報告)
Re(あーる)(プロフ) - あぁ〜!めっちゃ好きです!続き楽しみにしてます! (2019年8月9日 22時) (レス) id: e1df8226ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほのぴん。 x他1人 | 作成日時:2019年3月30日 18時