こんなの聞いてない ページ6
Aside
例によって時間がかかりすぎてしまった雑用の資料をもち、職員室に向かう。
「Aちゃんってさ〜、友達あんまおらへんやろ?」
今日1日気にしていたことを言い当てられちょっと、たじろぐ。
『しっ、失礼ですね!いますよ、大好きな親友が!』
「え、じゃなんで、1人だったの…」
『それは、朋花が先に帰ったからです!別に明日は、朋花と帰りますから!』
「そんなムキにならんでもええやん」
からかうような口調で笑う坂田さん。そんなこんなで職員室につき、担任に資料を渡して職員室を出た。
「長かったなー。でもこれはこれでええやんなー」
『ほんと、すみません。』
「職員室、ここにあるってようわかったな、なんでわかったん?」
『案内図は全部暗記しましたからね。』
「え?!バリすごいやん!」
本当は、受験前、この学校に入学したすぎて案内図を見まくって覚えたなど、言えない。
『凄いですよね、1日で覚えるなんて』
冗談交じりに自慢してみる。坂田さんは、これが嬉しかったのか、さらにテンションが上がっている気もする。
『そう言えば、坂田さんって関西弁ですよね。関西の方です?』
「そうそう!俺もこの学園に入りたすぎてさ、大阪から受験したんやで」
『そうなんですね。』
さすが超人気高だ。県外からも受験者はとてもたくさんくる。坂田さんもその1人なのか。メモメモ。
「え、何書いとるん?」
『大事な情報だと思ったので、メモを…』
「メモ!?そんな大事なことちゃうやん!」
『大事なんですよ!メモって!』
「なんて書いたん?見して〜!」
そう言ってひょいとメモ帳を取る坂田さん。やばい。
「え〜と?なになに、お調子者で親しみやすい関西人…」
とっさに目を逸らしてしまった坂田さん。怒らせてしまったのか?それとも呆れてしまった?? メモなんて書かなければよかったのかもしれない。後悔の考えが頭をぐるぐる回る。
「ふふふっ…ぐっ…」
『え?』
「あーっはっは!はははははっ」
文字通りお腹を抱えて笑う坂田さん。その声が廊下に響く。
「おもしろすぎっ、やば!」
『笑いすぎです』
つられて笑ってしまいそうになる。でも坂田さんは、笑ってくれてるし、結果としては良かったのかな…?
メモ帳を返してもらい、また外ポケットに入れた。はずだった。
カタン
メモ帳は微かな音を立てて廊下に落ちた。
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猫(プロフ) - 私は待ってますよ!! (2020年12月14日 0時) (レス) id: f6b1fd4935 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 続きは出さないんですか?? (2020年12月14日 0時) (レス) id: f6b1fd4935 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 最高です!! 続き待ってます! (2019年11月20日 23時) (レス) id: 5cebca09c0 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 続き楽しみにしてます!本当に大好きです!! (2019年8月17日 13時) (レス) id: 91adf27aab (このIDを非表示/違反報告)
Re(あーる)(プロフ) - あぁ〜!めっちゃ好きです!続き楽しみにしてます! (2019年8月9日 22時) (レス) id: e1df8226ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほのぴん。 x他1人 | 作成日時:2019年3月30日 18時