動物は好き ページ5
Aside
朋花の事で色々考えていると、先生から雑用を頼まれた。
何故私なのだろうと思ったが、気づけば周りには誰もおらず、私一人しかいなかった。
考え過ぎていたのだろう。仕方なく雑用をしていると
「あれっ!君もしかして、Aさん?」
明るい声が聞こえた。誰だろうと後ろを振り向くと、隣に座っていたマスクの男子だった。
『え、はい。Aですけど…』
我ながら感じが悪いな。こんなんだから友達ができないのか。はぁ。
また大きなため息をついてしまった。
「あ!ほらまたため息ついとるぞ!」
『え?』
「隣に座っとっても、よく聞こえてきたわ」
そう言ってケラケラ笑った。てかこいつ誰だっけ。
『あの、私あなたの事存じ上げないのですが…』
「え?!隣におったのに!?ひどぉ」
でも知らないものは知らない。陽気な人だな。
「俺、坂田だよ。よろしくっ!」
『よろしくお願いします』
何をよろしくするんだと思っていると、
「じゃ、雑用しまっか!」
『え?』
「え、これ全部1人でしようと思ってたの?!」
『はい。頼まれたのは私ですし、坂田さんに付き合わせてしまうのは、ちょっと…』
「ええの、ええの!困った時はお互い様やろ??」
今どきそんなセリフ言うのか。ここは甘えさせてもらおう。
『では、よろしくお願いします』
「よし!やったろ!」
ずっと静かだったらどうしよう。とか一瞬考えもしたが、坂田さんは全然会話を途切れさすことなく話してくれてる。この人なら友達になれるかもしれない。この人なら。朋花よりも。なんて馬鹿な想像すらしてしまうほど親しみやすい人だった。
坂田さんに手伝ってもらったにも関わらず、小一時間もかかってしまう程の雑用だった。こんなにかかるなんて聞いてないぞ。担任。
「終ったなー!長かったー!」
『結構長かったですね。さっさと職員室に届けましょう』
「おおっ、A言うじゃんか」
『呼びすて…?』
「え、ダメかな」
馴れ馴れしい呼び捨ては嫌い。けれど朋花は親友だし、呼び捨てで呼んでもらっている。今日会ったばかりの坂田さんに呼ばれるのはどうなのだろう。
『さ、さすがに呼び捨てはちょっと』
職員室に行ってしまおう。私は席を立ち上がり、資料を持って階段を降りる。
「え〜、Aちゃんは?ちゃんならいい??」
『ま、まだましなほうです。』
「やったぁ!Aちゃん!Aちゃん!」
ほう、これが俗に言う犬系男子か。
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猫(プロフ) - 私は待ってますよ!! (2020年12月14日 0時) (レス) id: f6b1fd4935 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 続きは出さないんですか?? (2020年12月14日 0時) (レス) id: f6b1fd4935 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 最高です!! 続き待ってます! (2019年11月20日 23時) (レス) id: 5cebca09c0 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 続き楽しみにしてます!本当に大好きです!! (2019年8月17日 13時) (レス) id: 91adf27aab (このIDを非表示/違反報告)
Re(あーる)(プロフ) - あぁ〜!めっちゃ好きです!続き楽しみにしてます! (2019年8月9日 22時) (レス) id: e1df8226ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほのぴん。 x他1人 | 作成日時:2019年3月30日 18時