感情 ページ13
Aside
そこに居たのは御三方の2人だ。
背の高いこの人も御三方の1人だろう。
背が高い男の人が私を掴んでいた手を離す。
そして私の横にある席に座った。
こんにちはと言われても、どうすればいいのか分からない。
とりあえず挨拶かな。それとも謝るのが先かな。
『あのっ、すみませんでした!』
ありえないほど深く礼をして謝った。自分でもびっくりした。
隣の人も目を見開いている。
こんな状況だと昔のことを思い出してしまう。
嫌だ。思い出すな。何も言うな。
しばらくの沈黙の後、帰ってきた声は「うん」だった。
それ1番回答に困るやつ。
帰りたい。もういいでしょ?とりあえず落ち着きたいの。
『あの、もう帰ってもいいですか?』
なるべく冷静に見えるように、震える声を抑えて言った。
「ダメに決まってるじゃん。」
「まだ俺ら許してないし」
ですよね。
『では、どうしたら許して頂けるのでしょうか』
丁寧すぎる口調でゆっくりと問う。
「どうすればいいと思う?」
その声は私に質問してはいなかった。
私の隣に座っている人がありえないことを口にした。
「俺らと仲良くすることじゃない?」
「『え?』」
不覚にも同時に声が口から漏れた。
てっきり、ボコボコにされると思ったのに。
「だってさ、この子が今1番嫌がってることって、俺たちと絡むことじゃない?」
「階段にいた時も、すれ違ったときすごい嫌な顔してたもんね!」
「あー、確かにね。うん、そうしよっか」
『え?』
さっきから同じことしか言わない自分の口と違ってどんどん話は進んでいく。
「じゃあ、よろしくね。君が許してもらうには、僕達と仲良くなること。いい?」
私がぽかんとしている間に話はもう着いてしまったらしい。
仲良くって、どうゆう定義なんだろう。パシリ的な?それなら納得だ。
でもこの人達の名前まだハッキリしないし。
唐突すぎて全部が分からない。
『えっと、え?』
「混乱しすぎ」
『あの、嫌です』
「は?今の君の立場わかってる?君に拒否権なんかないんだよ」
それもそうだ。ド正論すぎて笑ってしまいそうになる。
『すみません』
「じゃあ、帰りますか」
席に座っていた人が立つと同時に、私もカバンを持ち直した。
そして、4人で学園をあとにした。
41人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫(プロフ) - 私は待ってますよ!! (2020年12月14日 0時) (レス) id: f6b1fd4935 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 続きは出さないんですか?? (2020年12月14日 0時) (レス) id: f6b1fd4935 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 最高です!! 続き待ってます! (2019年11月20日 23時) (レス) id: 5cebca09c0 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 続き楽しみにしてます!本当に大好きです!! (2019年8月17日 13時) (レス) id: 91adf27aab (このIDを非表示/違反報告)
Re(あーる)(プロフ) - あぁ〜!めっちゃ好きです!続き楽しみにしてます! (2019年8月9日 22時) (レス) id: e1df8226ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほのぴん。 x他1人 | 作成日時:2019年3月30日 18時