普「俺の腕の中は君専用」壱 (ページ26)

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22話ページ26

勿「しんでる」

勿「しんでるのか」

貴「死…んでない？」

私

花子くんに突き落とされて

そっか

それでここに

貴「あれ？明るい？これまでと雰囲気が違うし」

天国？

ううん

もしかしてここが最深部！？

じゃあ早く依代を探さないとっ！？

がたっ

貴「いたた……あれ？」

見るべからずって書いてある本がある

こ、これは！

貴「あからさまに怪しい！」

『きょうはせいとおおどかしたたのしいさつわた』

貴「なにこれ？日記？」

小学生が書くような字で書いてある

誰の日記？

先生の一言のところには

『やめましょう

岬』

岬……

ミサキって

上にいた？

あの人の日記ってこと？

パラパラ

貴「写真？」

『きょうはミサキとほかのことしゃしんをとりました』

貴「これが〝ミサキ先生〟？」

じゃあやっぱり

上にいた女の人はミサキ先生じゃなかったんだ

パラパラ

『今日はミサキが来ませんでした。仕方がないので人形を作りながら柱来を1日眺めていました』

あれ？

いつもの先生の返事がない

『今日もミサキがきませんでした』

パラッ

『今日も』

パラ

『今日も』

パラッ

『今日も』

パラッ

『今日こんな噂をききました。この間このきざ橋で事故があり、教師がひとりここから落ちて死んだそうです』

貴「……」

『死ぬってどういう事かしら。次ミサキに会ったら聞いてみよう』

つ、続きは

パラッ

パラッ

白紙

白紙

まだ……

ペラッ

『ミサキはもうここには来ないのかもしれない』

『仕方がないからミサキを作ることにしました』

貴「なっ！」

ミ「何をしてるの？」

貴「こ、これを書いたのはあなたね」

ミ「そうよ」

貴「〝ミサキ〟はあなたじゃない」

ミ「集めたいのはミサキの体ですもの。名前を借りて話した方が早いでしょ？」

貴「あなたはっ！ミサキさんを作るために葵やみんなにあんな酷いことを！！」

ミ「えぇ」

ズシッ

貴「きゃ」

人形！？

貴「あ、あなた！ミサキさんが好きだったんでそょ？こんなことしたって、ミサキさんが喜ぶわけ」

ミ「やぁねぇ」

ドカッ

貴「！」

ミ「わかってるのよそんなこと」

ドサッ

貴「いたっ」

ミ「ミサキは生徒を大切にしてたもの。こんなことしたってバレたら怒られちゃうわね。でもそれでいいのよ。あたしはもう一度ミサキに怒られたい」

貴「え……」

怒られたい？