07 翻す ページ8
昨夜は彼の腕の中で眠りについて幸せだったはずなのに。
「Aちゃん、おかえり♡」
どうしてまた、蘭さんが訪れて来たのでしょう。そして、合鍵奪ったはずなのに、何故帰宅したら居るのでしょう。
少し冷静に考えれば分かる。きっと彼は合鍵の合鍵まで用意していたのだろう。
そこまで私と春くんの仲を邪魔したいのだろうか。
それに、今日も竜胆くんと一緒には居ない。春くんがまだ帰ってきていないことも知っていたような気がする。
春くんが、今どこにいるのか私は分からないから何とも言えないが、昨日のように都合よく毎回帰って来てくれるとも思えない。
でも彼の掌の上で転がされるのは正直癪だ。だから、私が彼を掌の上で転がせばいい。
「泊めて欲しいんですか?」
「え、泊めてくれるの?」
意外そうな声を出している。どうやら、そんな風に言われるとは微塵も思っていなかったようだ。
「但し、条件があります。……竜胆さんも一緒なら良いですよ。」
「え、竜胆も呼んでいいの?」
「勿論。」
私には考えがある。だから、蘭さんと竜胆さんを此処に居させる必要がある。
この人たちは反社。それをもれなくお忘れなく。あの手この手を使って、人追い詰める事なんて容易いはずだ。
彼がスマホで竜胆さんに連絡を取っている間、私も春くんに連絡を入れる。
いつ帰って来られるのかと、今日も灰谷さん達が来ており、泊めることにしたという事を伝えるために。
すると、珍しく返信が早く返ってきた。文章から嫌でも伝わってくる、お怒りモード。
春くんには申し訳ない事をしてる自覚は十分にあるけれど、この際春くんにも少しの間騙されていて貰おうと思う。
……まあ、せいぜいこの手が使えるのは数日だろうけれど。
なんて言ったって、彼らは反社。
情報収集なんて言ったってお手の物だろう。それは春くんと付き合う前に思い知らされているし。
集めた情報も100%正しい訳ではなさそうだけど。春くんは過去に勘違いで私の家を無惨に焼け払った前科あるし。
そんな相手をまさか好きになって、今では恋人同士になるなんて当時の私たちはそんな考えに辿り着かなかっただろう。
それはさておき。
春くんがお怒りモードのまま、自宅に向かってきているようだ。
「竜胆、今から来るって〜。」
蘭さんも呑気に笑みを浮かべて、私に竜胆さんが今から家に来る事を伝えてくれた。
後は私の作戦が上手くいくかどうかが問題である。
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さきな(プロフ) - 漆Pさん» 長らくお待たせさせてしまい申し訳ありませんでした!(土下座)こちらの小説でもコメント頂けて嬉しいです✨あと少しで完結なので頑張ります♡ありがとうございます! (2022年9月24日 15時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
漆P(プロフ) - 更新再開おめでとうございます(*´ω`*)ずっと待ってたかいがありました!無理せずに更新頑張ってください!応援してます! (2022年9月24日 13時) (レス) @page47 id: 436ede0cdd (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - モックさん» コメントありがとうございます✨続き更新致しました!ぜひ読んで下さい!完結までもう少しのところまで来ておりますので、頑張ります!ありがとうございます! (2022年9月24日 11時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
モック - めちゃくちゃいいところでとまってる〜!! 続きちょ〜楽しみ☆ 春くんがイケメンすぎてにやにやがとまりませんwww 更新頑張ってください!応援してます♪ (2022年9月24日 10時) (レス) @page46 id: 17f5259717 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - ちょんちょんさん» コメントありがとうございます✨更新していきますので、最後まで読んでくださったら幸いです! (2022年9月24日 0時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきな。 | 作成日時:2022年2月20日 0時