06 今日も ページ7
ちゃぷん、と水音が浴室に響く。
昨日は騒がしくてゆっくり出来なかったけれど、今はこうして2人でまったりとバスタブの中で寛いでいるから幸せだ。
「ドコ触ってんの。お触り禁止ですけど。」
「は?ドコって……」
「言わなくていいから。」
春くんの言葉を遮ると、お前がドコ触ってんのって聞いてきたんだろ、と冷静に返されてしまう。
彼の顔を見ないでもたれかかっていると、絶対にお触りをされる。春くんは、案外構ってちゃんだ。
また、春くんがイチャイチャしたい時の合図でもある。
「A、超好き。」
「私も、大好き。」
突然、思いついたかのように降ってくる好きの言葉に、いつもときめきながら、私も言葉を返す。ずっとこのまま平穏な日々が続けばいいのに。
何度目かの口づけに甘く酔わされていく私は本能に身を任せて溶けきってしまいたくなるけれど、それで過去に何回かのぼせてしまった事もあり、急に理性的に戻ってしまう。
「春くん、のぼせちゃうから……っ、」
「のぼせたら俺が抱き上げてベッドまで運んでやる。」
「そういう問題じゃ……ん、もう、話聞いてる?」
私の言葉なんてお構い無しに、身体に触れてくるせいで自然と声が漏れてしまう。
「Aだって満更でも無さそうな声出てんじゃねぇか。」
控えめに拒んでしまったが故に、彼のスイッチを入れてしまったらしい。
体が火照り始めており、このままだと本気でのぼせてしまう。のぼせた後は頭がクラクラするし、完全に治るまで時間がかかるから、それは遠慮したい。
「ね、本当にのぼせる前にお風呂あがりたい。」
熱さでボーッとし始めていると、春くんが仕方がなさそうに私を抱きあげる。
あ、このまま連れてってくれるのか……なんて思いながら、彼に身を委ねて任せる事に。
「俺に寄りかかってていいからちょっと降りろ。体拭く。」
「……ん。」
降ろされると立ちくらみのような感覚が体を襲う。私は、彼の言葉に甘えて身を委ね、彼の背中に腕を回してきゅっと抱きついていた。
厚い胸板に頭をピタッとくっつけると、彼の胸の音が聞こえた。反社の彼は、今日も生きている。
私の隣にいる。それだけで幸せ。
彼は……常に死と隣り合わせと言っても大袈裟じゃないと思う。
私の、知らない世界。入り込んだら、いけない世界。
「A、誘ってんの?くそ可愛くてぶち犯したくなんだけど。」
「言葉遣い悪すぎ。……誘ってないし。」
この流れ、多分今夜は穏やかに眠れない。
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さきな(プロフ) - 漆Pさん» 長らくお待たせさせてしまい申し訳ありませんでした!(土下座)こちらの小説でもコメント頂けて嬉しいです✨あと少しで完結なので頑張ります♡ありがとうございます! (2022年9月24日 15時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
漆P(プロフ) - 更新再開おめでとうございます(*´ω`*)ずっと待ってたかいがありました!無理せずに更新頑張ってください!応援してます! (2022年9月24日 13時) (レス) @page47 id: 436ede0cdd (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - モックさん» コメントありがとうございます✨続き更新致しました!ぜひ読んで下さい!完結までもう少しのところまで来ておりますので、頑張ります!ありがとうございます! (2022年9月24日 11時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
モック - めちゃくちゃいいところでとまってる〜!! 続きちょ〜楽しみ☆ 春くんがイケメンすぎてにやにやがとまりませんwww 更新頑張ってください!応援してます♪ (2022年9月24日 10時) (レス) @page46 id: 17f5259717 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - ちょんちょんさん» コメントありがとうございます✨更新していきますので、最後まで読んでくださったら幸いです! (2022年9月24日 0時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきな。 | 作成日時:2022年2月20日 0時