04 合鍵 ページ5
「……何で今日も此処にいるんですか。ていうか春くんいないのにどうやって入ったんですか。」
帰宅したら、私を出迎えてくれたのは春くんではなく蘭さんだった。春くんはまだ帰宅していないようで、家の中には蘭さんしかいない。
それなのに、どうやって入ったのだろうか。……まさか、とは思うけど。
「合鍵作っちゃった♡」
……やっぱりか。そういえば、この人も反社だった。妙に既視感あると思ったけど、春くんも以前私のスマホのパスを解読してた事があったのをふと思い出した。
反社の人ってやり方というか手口が似ているのだろう。
ツッコむだけ疲れるから、黙っているとつまらなさそうな顔をされてしまう。
「驚かないの?もっと大きなリアクション欲しかったのに。」
「反社の人と付き合ってて、こんな事でいちいち驚いてたらキリないですよ。」
かと言って、合鍵を作られてしまった今、私はどうやっても家から追い出す事が出来ない。合鍵を奪えばいいのだろうけれど、春くんがいないこの部屋で私が無謀な事をするのは私が不利になるだけだ。
「……面白いね。つか、三途にそうやって取り入ったの?身体で迫った?」
「身体で迫った事はないです。」
この人の目的が見えてこない。女性問題で家を特定された事は恐らく嘘ではないだろう。でも、昨日は竜胆さんも一緒だったのに、どうして今日は連れてきていない?
まるで私と2人になるのを狙っていたかのようにも思えてしまう。それが私の思い込み、気の所為ならいいのだけど。
「女に興味なかった三途があんなに骨抜きにされてんだ。……アンタ、なかなかのヤり手だろ。」
どうやら彼は私を不快にさせるのが目的のようだ。逆上するのを待ち構えている……そんな感じだ。
お生憎様だけど、私はそんな事で怒れる程パワーはない。仕事が終わって疲れて帰ってきて、怒るなんて1番面倒くさい感情を剝き出しにする訳がない。
「私を怒らせたいなら無駄ですよ。仕事終わりで疲れてるので。」
「怒らせたい訳じゃねえんだけどな。……三途がアンタにベタ惚れだから俺も味見させてもらおうかなって♡」
……そういう事か。今まで女性に興味がなかった春くんが私と付き合っている事に対して何か裏があるのではないのかと。
私が手練手管で彼を唆した、とでも言いたいのだろう。
「お断りします。」
「三途もいねえのに、俺から逃げられると思ってる?」
……正直、成す術はなくてどうしようか考えている最中だ。
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さきな(プロフ) - 漆Pさん» 長らくお待たせさせてしまい申し訳ありませんでした!(土下座)こちらの小説でもコメント頂けて嬉しいです✨あと少しで完結なので頑張ります♡ありがとうございます! (2022年9月24日 15時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
漆P(プロフ) - 更新再開おめでとうございます(*´ω`*)ずっと待ってたかいがありました!無理せずに更新頑張ってください!応援してます! (2022年9月24日 13時) (レス) @page47 id: 436ede0cdd (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - モックさん» コメントありがとうございます✨続き更新致しました!ぜひ読んで下さい!完結までもう少しのところまで来ておりますので、頑張ります!ありがとうございます! (2022年9月24日 11時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
モック - めちゃくちゃいいところでとまってる〜!! 続きちょ〜楽しみ☆ 春くんがイケメンすぎてにやにやがとまりませんwww 更新頑張ってください!応援してます♪ (2022年9月24日 10時) (レス) @page46 id: 17f5259717 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - ちょんちょんさん» コメントありがとうございます✨更新していきますので、最後まで読んでくださったら幸いです! (2022年9月24日 0時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきな。 | 作成日時:2022年2月20日 0時