02 繋いだ手 ページ3
「は?A、何言ってんだよ。」
理解不能と言いたげな彼。勿論、私だって不満がない訳じゃない。予告もなしに突然訪問されていたのだから、腹が立っていない訳でもない。
でも、現状が変わらなさそうな今、こうする方が効率的だと判断したまでだ。
「この方が話が早く済むって思ったの。話が終わらない限りは何も起こせないでしょ。」
「効率の善し悪しで考えるの辞めろよ。たまにそういうトコあるよな。」
「じゃあ、不毛な話をもう少し続けた方が良かった?」
「それは面倒。」
完全に納得をしていないし、了承もしていない。でも、今日だけならまだ我慢が出来るというだけの話だ。
「春くん、買い出し付き合って。流石に冷蔵庫にある材料じゃ4人分作れない。」
「お前等、俺等がいねえ間に勝手に漁るんじゃねえぞ。」
春くんと共に近くにあるスーパーへ買い出しに行く事にする。冷蔵庫にある材料も使い切りたいから、適当に鍋でもいいかな。
私の勝手な判断で決めてしまったから、春くん怒ってるかな……と思いながら隣を歩く彼を一瞥する。
今のところ、超不機嫌な様子はないけれど、判断を下した私でさえ10割納得出来ていないのだから、勝手に決められてしまった春くんはもっと納得出来ていないだろう。
「春くん、さっき……勝手に泊めるって決めちゃってごめんね。」
「ホントに勝手に決めやがって。……許してほしいか?」
彼の言葉に頷けば、春くんは周りを確認して、不意に唇を重ねる。口づけてる間に、指先を絡め、キュッと恋人繋ぎをされた。
「しょうがねえから、今日はこれで許してやる。」
ニィッと口角を釣り上げて笑う彼。なんだかんだ、彼のその笑顔が凄く好きで。1人で勝手にきゅんと胸を締め付けている私は無意識に言葉をポツリ、と零す。
「春くん、好き。」
「おい、こんなトコでそんな事言うなよ。……可愛すぎて今すぐどうにかしてヤりたくなる。」
「ちょっと、春くん!」
彼と私の仲は至って順風満帆。私は普通の社会人で、彼は反社だけど。愛の力で乗り越えるだとか、想い合っていればどうにかなるだなんて、夢は見てないけど。
……私たちなりの幸せを探しながら、掴もうとしている最中だ。
だから、誰にも邪魔されたくない。
そう願っているのに、世の中そんなに甘くないし上手くいく訳もなくて。
花に嵐。それを何度踏み越えたら、私たちは本当の意味で幸せになれるのだろうか。
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さきな(プロフ) - 漆Pさん» 長らくお待たせさせてしまい申し訳ありませんでした!(土下座)こちらの小説でもコメント頂けて嬉しいです✨あと少しで完結なので頑張ります♡ありがとうございます! (2022年9月24日 15時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
漆P(プロフ) - 更新再開おめでとうございます(*´ω`*)ずっと待ってたかいがありました!無理せずに更新頑張ってください!応援してます! (2022年9月24日 13時) (レス) @page47 id: 436ede0cdd (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - モックさん» コメントありがとうございます✨続き更新致しました!ぜひ読んで下さい!完結までもう少しのところまで来ておりますので、頑張ります!ありがとうございます! (2022年9月24日 11時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
モック - めちゃくちゃいいところでとまってる〜!! 続きちょ〜楽しみ☆ 春くんがイケメンすぎてにやにやがとまりませんwww 更新頑張ってください!応援してます♪ (2022年9月24日 10時) (レス) @page46 id: 17f5259717 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - ちょんちょんさん» コメントありがとうございます✨更新していきますので、最後まで読んでくださったら幸いです! (2022年9月24日 0時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきな。 | 作成日時:2022年2月20日 0時