19 クレーム対応係 ページ20
元の家をずっと開けているのも心配で、つい元々居たマンションに来てしまった。
春くんには一応連絡入れてある。けれどまだ、既読はつかないまま。
私は、マンションの鍵を開けて部屋に入ろうとすると、扉に映る、私ともう1人の影。
振り向けば、ゾクッと背筋を凍らせて動けなくなってしまう。
「どうして……?」
「たまたま、見かけたから?♡」
蘭さんが、私を見下ろしている。ある種のストーカーかよって言ってやりたくなるけど、反社の人間に何を言っても無駄なのは春くんで既に経験済みだ。
咎める前に、冷静に何をしに来たのか聞いた方がいい。
「嘘。……何しに来たんですか?」
「三途がいない隙にAちゃん、取〜りしに来た♡」
私に固執する理由がまず分からない。春くんの弱味を握ったつもりなのだろうか?それとも、春くんに嫌がらせをしたいのか?
謎は深まるばかりだ。
「取るって……私、モノじゃ無いですけど。」
「三途の女だろ?三途辞めて、俺にすれば?」
冗談じゃない。春くん以外、考えられないって何度言えば分かるのだろう。
それとも、少し押してみて、揺らぐのか私を試しているのか。
この人の考えはやはり理解出来ない。何を考えているのか、分からない。
「私じゃなくても、もっと良い女性がいると思いますけど。」
「俺はAちゃんが良いんだけどなぁ。」
薄ら笑いを浮かべている彼に、軽く腹を立ててしまう。でも、苛立ちを彼にぶつけてしまえば、きっと彼の思うつぼだ。
「三途と付き合う前から、ずっと気になってたって言ったら信じてくれる?」
男の表情を全面に押し出して魅せつけるような彼。今まで、そのハニートラップに何人の女性が騙されて、犠牲になって、傷ついてきたのか。
でも、私はそんな甘い言葉を囁かれたって、信じない。
春くん以外の人の甘い言葉は生憎だけど受け付けてないから。
「信じません。……ねえ、蘭さん。本当の目的は何ですか?」
直球どストレートになってしまうけれど、このままずるずると心理戦、頭脳戦に長期期間持ち込まれると流石に心身ともに疲労が大きくなる。
「目的?Aちゃんと仲を深める事?」
もう、話にならない。根本的に私と彼の性格が合わないことはよく分かった。
「そういう冗談もういいので、お引き取り下さい。」
バタン、と扉を強引に閉めてすぐに、竜胆さんへと連絡を入れた。クレーム対応係みたいにさせてしまい、申し訳ないと軽く反省をした。
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さきな(プロフ) - 漆Pさん» 長らくお待たせさせてしまい申し訳ありませんでした!(土下座)こちらの小説でもコメント頂けて嬉しいです✨あと少しで完結なので頑張ります♡ありがとうございます! (2022年9月24日 15時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
漆P(プロフ) - 更新再開おめでとうございます(*´ω`*)ずっと待ってたかいがありました!無理せずに更新頑張ってください!応援してます! (2022年9月24日 13時) (レス) @page47 id: 436ede0cdd (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - モックさん» コメントありがとうございます✨続き更新致しました!ぜひ読んで下さい!完結までもう少しのところまで来ておりますので、頑張ります!ありがとうございます! (2022年9月24日 11時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
モック - めちゃくちゃいいところでとまってる〜!! 続きちょ〜楽しみ☆ 春くんがイケメンすぎてにやにやがとまりませんwww 更新頑張ってください!応援してます♪ (2022年9月24日 10時) (レス) @page46 id: 17f5259717 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - ちょんちょんさん» コメントありがとうございます✨更新していきますので、最後まで読んでくださったら幸いです! (2022年9月24日 0時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきな。 | 作成日時:2022年2月20日 0時