12 独占 ページ13
「何、早くしろって?」
「ち、ちがっ!背中痛いから。……するなら、ベッド行こ?」
どうやら行為を催促されていると思ったらしい。これから、足でつつくのは辞めようと密かに決意をした。
「……しょうがねえ姫だなぁ?♡じゃ、ベッド行くか。」
嬉しそうな顔をする春くんがとても可愛くて仕方がない。……付き合う前なんてこんな表情全然見せてくれなかったくせに。
いつも不愛想で、不機嫌そうで。それでいて威圧的、高圧的で……私の事、脅しまくってたのに。
付き合い始めてから、春くんの表情の豊かさに気づいて、色んな一面が見られて嬉しいのは事実。だからもっと……私しか知らない一面を見せて欲しい。
そんな事言ったら、独占欲が強い女だとか、束縛やばそうな女だって言われてしまいそうだから、言わないでおくけど。
でも、春くんだからもっと知りたい。他の人の事なんて正直どうだっていい。
私と春くんが幸せならそれでいい。誰かの不幸で成り立つ幸せは嫌だけど……でも、2人で作り上げた幸せは沢山欲しい。
2人の幸せに誰かが入ってきてほしくない。……なんて、そんな風に思っちゃう私は嫌な女で、性格が悪いのかもしれない。
だから、灰谷さん達の事を雑に扱ってしまうのだろう。自分がこんなに意地悪だなんて知らなかった。春くんと出会うまでは。
抱っこされたまま、春くんがベッドに腰掛け、私をじっと見つめている。先程の嬉しそうな顔は何処へいったのか、というくらいに表情が曇っている。
「どうしたの……?」
「……お前、俺以外のこと考えてるだろ。超上の空で余裕そうじゃん。」
「春くんの事、考えてました。」
あながち嘘ではないだろう。確かに、上の空だったことは認めるけど。
「腹立つからマジで容赦なく抱き潰すわ。」
それは勘弁願いたいところだ。……ていうか、毎回抱き潰されているようなものだけど。
そういえばまだお風呂に入っていないことに気づいた。それを言い訳に、彼の手から逃れようと謀るつもりだ。
「春くん、私……お風呂入ってなかった。先にお風呂……」
「じゃあ、連れてってやるよ。このまま♡」
「お風呂は1人で入るから大丈夫……!」
「ダメに決まってんだろ。俺も一緒じゃなきゃ入れねえから。」
これは何を言っても無駄だ。1度スイッチが入った彼には敵わない。立ち上がって、浴室に向かっていった私と春くん。
これはお風呂で逆上せちゃうパターンのやつかもしれない、と最悪なパターンを思わず想像した。
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さきな(プロフ) - 漆Pさん» 長らくお待たせさせてしまい申し訳ありませんでした!(土下座)こちらの小説でもコメント頂けて嬉しいです✨あと少しで完結なので頑張ります♡ありがとうございます! (2022年9月24日 15時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
漆P(プロフ) - 更新再開おめでとうございます(*´ω`*)ずっと待ってたかいがありました!無理せずに更新頑張ってください!応援してます! (2022年9月24日 13時) (レス) @page47 id: 436ede0cdd (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - モックさん» コメントありがとうございます✨続き更新致しました!ぜひ読んで下さい!完結までもう少しのところまで来ておりますので、頑張ります!ありがとうございます! (2022年9月24日 11時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
モック - めちゃくちゃいいところでとまってる〜!! 続きちょ〜楽しみ☆ 春くんがイケメンすぎてにやにやがとまりませんwww 更新頑張ってください!応援してます♪ (2022年9月24日 10時) (レス) @page46 id: 17f5259717 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - ちょんちょんさん» コメントありがとうございます✨更新していきますので、最後まで読んでくださったら幸いです! (2022年9月24日 0時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきな。 | 作成日時:2022年2月20日 0時