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10 ムード台無し ページ11

「私の我儘で何も言わずにここまで連れて来たのに、怒らず着いてきてくれてありがとう。」

感謝の言葉を伝えると、優しく微笑んでくれる彼。

本当は……春くんにちゃんと伝えてから行動した方が良かったのだろう。でも、私の咄嗟な思い付きだったし、上手くいくかもわからなかったから、とりあえずこうするしかなかったのだ。

「はぁ、やっと2人きりだな。」

息をついた彼に続き、私も大きく息をついた。この場所は、絶対に灰谷さん達にはバレたくない。……特に、蘭さんの方だ。

時間の問題だとはわかってはいても、この場所だけは守りたい。あの家に入り込んできて、此処まで入り込まれたら、もう逃げる場所が本当になくなってしまうから。

彼に再び思い切りハグをして、力を込めていく。今はもっと彼とくっついていたくて。

「何だよ……急に甘えやがって。」

不器用な言い方ではあるけれど、声は優しいままで。そのまま、私を包み込むように抱きしめ返してくれる。

この時間を……ずっと春くんと共有していたい。この2人の時間は、誰にも邪魔されたくない。

「春くん、好き。」

「俺も、Aが好き。」

この温もりだけは、裏切らないと、言い聞かせながら想いを伝えた。人前で泣く事が出来なかった私が、春くんの前では素直に泣けるようになった。

理性的であろうと、怒る感情を抑えつけていた私が、春くんには面と向かって自分の感情をぶつける事が出来るようになった。

全部……春くんがきっかけで出来るようになったこと。

でも、それはきっと春くんにだけ。春くんは、私にとって……特別な存在なの。

「明日休みでしょ?今日はいっぱい、触れあいたい。」

「……A、最近大胆だな♡いっぱい、触れ合うか。」

彼もそれに応えてくれるように、また力を込めてぎゅっと抱きしめてくれる。彼にこんなに愛されている私は幸せ者だ。

軽く触れるだけのキスだけでもこんなに満たされて、体の全身で伝う程熱が帯びていく。

愛のカタチなんてわからない。でも、わからないから……人はこうして触れ合っていくのでしょ?

それを教えてくれたのも、春くんだ。

何度も重なる唇と甘い口づけに溶かされていると、春くんのお腹が不意に鳴った。

「あ、悪い。俺、昼飯食ってなかったから腹減ってたんだよ。」

「……ふふ。じゃあ、先にご飯食べようか。」

ムード台無しだけど、これはこれで私たちらしいよね、なんて勝手に和んでしまった。

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 三途春千夜 , 梵天   
作品ジャンル:アニメ
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さきな(プロフ) - 漆Pさん» 長らくお待たせさせてしまい申し訳ありませんでした!(土下座)こちらの小説でもコメント頂けて嬉しいです✨あと少しで完結なので頑張ります♡ありがとうございます! (2022年9月24日 15時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
漆P(プロフ) - 更新再開おめでとうございます(*´ω`*)ずっと待ってたかいがありました!無理せずに更新頑張ってください!応援してます! (2022年9月24日 13時) (レス) @page47 id: 436ede0cdd (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - モックさん» コメントありがとうございます✨続き更新致しました!ぜひ読んで下さい!完結までもう少しのところまで来ておりますので、頑張ります!ありがとうございます! (2022年9月24日 11時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
モック - めちゃくちゃいいところでとまってる〜!! 続きちょ〜楽しみ☆ 春くんがイケメンすぎてにやにやがとまりませんwww 更新頑張ってください!応援してます♪ (2022年9月24日 10時) (レス) @page46 id: 17f5259717 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - ちょんちょんさん» コメントありがとうございます✨更新していきますので、最後まで読んでくださったら幸いです! (2022年9月24日 0時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきな。 | 作成日時:2022年2月20日 0時

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