【刀剣乱舞】繰り返す審神者は何を思う (ページ1)

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引き出し物：１　７月２４日　昼ページ1

これは、どこかの本丸にいた一人の審神者の物語である。

ミーン、ミンミンミーン。
蝉がうるさく泣きわめくように鳴いている中、Aは、出陣によって持ち帰られた刀剣を管理する倉庫の掃除をしていた。
A「うーん、こんくらいきれいにすれば他の刀剣男子も文句言わなでしょう。」
つい最近、今剣が、ほこりまみれになってAの元へ来たのだ。どうやら、蝶を捕まえようとして倉庫の中へ入ったらしく、当時ほったらかしていたぼろぼろの蔵の中を探し回ったそうだ。今剣は、目にゴミが入ってしまい、ごしごししながら、掃除をしてもらいたいと頼んできた。
本当は、全員で掃除したほうが手っ取り早いが、刀剣を管理する倉庫のため誤って刀剣を壊してはいけないと思い、Aだけで、掃除していた。
「いつまにかこんなに刀剣が集まっていたか。」
額からにじみ出ていた汗をぬぐい、刀剣がしまわれている棚の数を指で数えはじめたが、途中で違和感を感じた。
A「ん？こんな古い引き出しあったけ？」
Aが気になって、近づいてみると、審神者就任以来、全く見たこともない茶色の古びた小さな引き出しがぽつん…と、置かれていた。
「中身とかあるわけ…、うおっ！ほこりが…、ケホケホッ」
Aが開けた途端、今まで中に溜まっていたほこりがAの上を舞っていた。
A「中身あったけど、何だこりゃ？木箱か？」
少々の咳をした後、Aが取り出したのは細長い木箱だった。
A「おぉ…、こんな物があるなんて…。」
「主ーっ！主あてに手紙が届いてるよー！！後、政府から連絡が来てるよ。」
ひょこっと、倉庫から顔出したのは近侍である加州清光だった。
A「うん、わかった。今行く。」
木箱を元の場所に戻そうかと悩んでいたAだったが、裏の貼り紙を見て、誰かの落し物の可能性もあり、中身が気になるという好奇心から引き出しに置かずに持っていくことにした。
そして、倉庫から出てようとした瞬間、
((ユルサナイ…))
粘りつくような黒い気配がAに向けていることとは知らずに。