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どうやら、青蘭様は人を心良く思っていない神様らしい……、ということも分かった。
それでも。
私は神様に反論なんてできないので、黙って話しの流れを見守るしかできずにいた。

「だからだ!」

大鵬が力強くうなづいた。
対して朱姫様は信じられない! と驚愕したお顔。

「……お主、いったい何を考えておるのかの?」

「ほっほっほ。人を憎む青蘭と、全てを受け入れているA殿……この二人の組み合わせは、なかなか面白いと儂は考えますぞ!」

どうやら、老師父様は大鵬の意見に賛成らしい。
大鵬は満足げに頷いた。

「うむ! あれの憎しみは、悲しみからだ。そして、あれをそこまで追い詰めたのは人間だ……。いくら我らが青蘭の心に働き掛けたとしても、今のままでは、あやつは前へは進めぬままだ」

「……なるほど。それで、大鵬殿はAの守り役という名目を利用して、青蘭を人と関わらせるつもり、ということかのう?」

「いいや。それだけではないぞ!」

「……? どういうことかのう?」

朱姫様が首を傾げた。
すると。
急に、大鵬は私の頭を撫でまわし始める。

「幼いにもかかわらず、己が喰われることに、何の疑問も抱かない。……ここまで達観した花嫁殿も初めてであるからな!」

「……なるほど」

くっくっく、と朱姫様の肩が震えた。

「なるほど! なるほどのう? そういうこと、か」

朱姫様は、何か答えを得たらしく、とても楽しげな笑みを浮かべた。
私には何が何だか分からなかったけど。

「我は人間の子はあくまで、子どもらしくあるべきと考えるからな!」

……どうやら、大鵬にとって、私は子どもらしくない子どもに映っているらしい。
ただ。
私は他の子どもと遊んだことも、話したこともなかった。
他の子を見たのは、大鵬の花嫁として送り出されるとき、……洞窟を出たときがはじめてだった。
つまり、私は私以外の子どもが、どんな振る舞いをするのかを知らない。

子どもは遊んで。それから畑仕事を手伝うもの。……そう、翁から与えられた情報ならある。
感情の起伏が激しかったり、素直じゃない子もいるらしい。
ただ、どんな性格の子も、その振る舞いは、自分の気持ちを表に出すための手段にしているのだそうだ。
そんな知識だけはちゃんとあった。
だから、自分の感情を素直に出す神様方は、……私の思う、少女や子どもに近い面があると、先ほどから感じていたのだ。

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設定タグ:和風ファンタジー , 妖怪 , 羅刹   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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一花(プロフ) - Nonさん» (続)しかし、物語にのめり込める……そう仰っていただけ嬉しいです。ありがとうございます。国語力は……常に平均レベルでした(汗) 夢想力は多少あるかもしれません(笑) Nonさんこそ、とても誉め上手です。沢山、嬉しい言葉をくださり、ありがとうございます! (2014年8月30日 23時) (レス) id: efaaeba1ca (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - Nonさん» ありがとうございます。後編もなるべく楽しんでいただけるよう、精進いたしますね。少し間が空きますが、公開時は宜しくお願い申し上げます! それから、文章……お褒め頂き有ありがとうございます。力があるかは私自身は判断を読者様に委ねるしかできません(続く) (2014年8月30日 23時) (レス) id: efaaeba1ca (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - 光珂.さん» ありがとうございます! ボード、確認いたしました。本当にありがとうございます! レスさせていただきましたので、またご覧下さると幸いです。本当にありがとうございます! (2014年8月30日 23時) (レス) id: efaaeba1ca (このIDを非表示/違反報告)
Non - どうも、またNonです。後編すごく楽しみにしてます!一花様はほんと文章力が凄くあると思います。国語とかは得意なほうでしょうか?凄く物語にのめり込めるので大好きです!あと、誉めるのもとても上手いですよね! (2014年8月26日 6時) (レス) id: 240a63bd27 (このIDを非表示/違反報告)
光珂.(プロフ) - こんにちは。 前編完結、おめでとうございます!  誤字脱字のチェックをしたのですが、諸事情でボードの方に書かせて頂きました。 お時間のある時に確認お願い致します。 (2014年8月25日 16時) (レス) id: 21af548d66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:一花 | 作成日時:2014年7月22日 22時

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