人喰い神の最後の花嫁―前編―【名前変換オリジナル】

▼ ページ16

(……どう思うも何も)

今まで「花嫁様」以外の呼び名は知らなかったし、それで不自由もなかったので、急に名前を与えられても、その良し悪しは分からない。
ただ、私は大鵬に捧げられた供物。
断るという選択肢は浮ばなかった。
それに、あまりにも楽しそうな神様の様子に、少し嬉しくなってしまっていたから。
私はゆっくりうなずいた。

「――はい。ありがとうございます。頂いた名前、大切にします」

すると。
ぽんぽんと頭を撫でられた。

「うむ！ では、これよりAと名乗るがよい！」

「はい」

私はもう一度頷いた。
大鵬が満足そうに笑った。
朱姫様も、よかったのう、とこちらに優しく微笑みかけてくださった。


*
「さて、大鵬殿。本来から名無しの花嫁殿は初めてであったが、名前を与えたのであれば、条件は今までと同じであろう？」

ひとしきり笑った大鵬に、朱姫様が声をかけた。

「おお！ そうであったな」

そういって、私を床に解放してくれた大鵬。
次に何が起こるか想像もつかないので、とりあえず大人しく立っておくことにする。
すると。

「老！ 控えておろう！？ 今すぐ出て来い！！」

屋敷中に響き渡るような声で、大鵬が誰かを呼んだ。

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
【御礼】７/27
A様、ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
占いつくーるで、オリジナルとして書くのははじめてですが、５００hit ……閲覧してくださる方がいらっしゃるのが、非常にうれしいです。
お気に入りしてくださった方や、評価を下さる方がいる有難さに打ち震えております。
よろしければ、今後もお付き合いくださると嬉しいです。
あと、個人の趣味で、大鵬(たいほう)様のお名前を変換できるようにしました。
お好きな名前を入れて楽しんでくださると幸いです。
(私は普段夢を書いているキャラクターを入れてみたりして、夢の自家栽培としています(笑))

四章『神様方の力模様』→←▼

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す