【21】 ページ22
・
・
烏野高校との練習試合はこちらが連勝して終わった。
すごく速い速攻とか、
レベル高いセッターにリベロ。
なんていうか手に汗握る試合だったけど、私はスコア書いたりドリンク作ったりで、ゆっくり試合をみてる場合ではなかった。
練習試合って毎回そうだけど、なんていうか忙しないまま時間がすぎてしまうことが多い。
「おーーい、集合ーー！」
はっ、！もう終わり…
「片付けたら宿戻るからなー。体育館前並べよー。」
くっっ、烏野の美人マネと一言交わしたかったあ…
なんて望みも叶わず、バスに乗り込んだ。
・
・
・
「な！A青葉城西の人と知り合いなの？
黒尾にちょろっと聞いてさ〜。」
と聞いてきたのは前に座っていたやっくん。
「ん〜まあ、宮城に住んでた頃ちょっと知り合いだったけど、果たして向こうは覚えてるかどうか…
徹君は青葉城西に入ってバレー続けるって言ってたけど、どうなんだろ。」
「えっ、徹って、及川徹！？」
「へ、ん〜苗字はちょっと覚えてないなあ…」
「えっと、ほら！これ、及川徹！」
と言って見せてきたのは月間バリボーの一部分で。
大きく写っているのは宮城の牛島若利。
おう、超高校級エースか…すごいな…。
その左下に、
"宮城NO.1セッター 及川徹" の文字が。
「うーん、この人かな？顔あんまり覚えてなくて…」
「なんだー。てか宮城NO.1じゃん。
それにすげーーイケメン。Aいつの間に知り合ったんだよ〜。」
なんてちょっとニヤニヤするのやめろぅ。
「いや本人かわかんないし…。」
「ま、なんにしても試合楽しみだな！」
今度はニカッと笑うから、私も思わず頷いた。
本人だったら、いいな。
私の事、向こうは覚えてるかな？
私、彼に言いたいことがあるんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すうぎ | 作成日時：2020年3月27日 3時
