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「不審者に間違えてスミマセンでした…。」
私が凶器を持った不審者だと思った人は、ペットボトルを持った海だった。
「ははっ、こっちこそ怖がらせてごめんね。
自販にジュース買いに来てて、音がきこえたから気になって。」
UNO大会で負けた海が買いに来てたらしい。
あ、それで両手にね…
「Aってこういうの苦手だったっけ？前夜久んちでホラー見た時も平気そうにしてたからさ。」
「う…まあちょっと無理してた、かも。」
海の前だと隠し事も、強がりもしなくていっかって思えるから不思議だ。
菩薩効果かな？
「そっか。まあうちにはもっと怖がりの獅子もいるし。意外と夜久も苦手だしな〜。」
「ふふ、リエーフあの時すごい叫んでたよね。
それでさ…海と黒尾がなだめて…。」
あの時は、怖くないって強がった手前平気な振りをするしかなくて耐えてたけど
黒尾だけは
『A大丈夫かー？』
って、顔覗き込んできたんだっけ。
もちろん余裕だって言って押しのけたけど、
そのあとポン、と頭に乗せられた手にドキッとして映画どころじゃなくなって…
「また皆で遊んだりしたいな。
あ、そういえば今日買い物大丈夫だった？1人で行かせちゃったから心配だったよ。」
「か、海さん…お父さんみたいだよ。」
と笑えば
「大切なマネージャーですから。過保護にもなるよ。」
なんてまっすぐ伝えてくるもんだから、照れるやないかい。
「大丈夫だったよ。ちょっとまあ黒尾にお叱り受けたけど…」
「え、黒尾に？」
「そ。ショップで迷った時、場所教えてくれて帰り道案内してくれた人いたんだけど、
黒尾には男にほいほいついてくなって言われて…
確かに知らない人についていったのは良くないなあって思って、黒尾には謝って…」
と、事の経緯を海に説明してたら海がなにやら考える人みたいな感じで顎に手を当てたいた。
「？…あ！いやちゃんと仲直りしたよ？」
と伝えたけど、どうやら気になってたのはそこじゃないようで
「…あぁ。…そうだね。危ないからもうついてったりしたらだめだよ。すぐ俺たちに連絡してね。
……いや…それにしても黒尾って案外鈍いんだなぁ。」
「え？」
「………Aはさ…黒尾にはこれから何も伝えないつもり？」
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作者名：すうぎ | 作成日時：2020年3月27日 3時
