95 血 ページ8
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僕達は街を走る
いきさつをAさんに話した
貴「…その女の言うことほとんどが嘘だが、俺はその女に2年前会ったことがあると思う」
新「えっ!?そうなんですか!?
じゃあその男って…」
貴「ほとんどが嘘だって言ったろ!
でもその家族が死ぬ原因となったのは、俺かもな」
自嘲気味に笑うその顔を見るとなぜだか泣きそうになってしまう
貴「2年前、確かに俺は東の方の人里離れた村へ行った
色々あって怪我をしていた俺はある家に保護された
それが、その女が『家族』だと言う家だ
母親は病気だが明るくそこらの人間より元気だったし、長女と次女は仲が良く、母親の薬を買うため毎日働いていた
何も知らない俺を家に招き、手当てをし、裕福でないはずなのに飯はたっぷりだしてくれた」
そこまで話すと、話すのを一旦辞めてしまう。
ということは、
新「じゃあ、その次女が迫田茨さん…」
貴「いや違う。
その家族を殺し、家を燃やしたのが、その迫田茨っていう女だと思う。」
新「なっ…!?」
つい、足を止める
貴「犯人は俺でも、俺以外の誰かでもない。
その女だ。
火事で…誰だかわからなくなってるって言ってんのに、『何度も刺し殺した』っていうのはおかしいだろ。
鑑定士でもあるまいし。」
新「…確かに。
でもあんなに悔しそうに…涙を流して」
貴「嘘つくのに慣れてんだろ」
淡々とした声色のAさんに違和感を覚えて、走っている横顔を見ると声からは想像出来ないくらい眉間にしわがよって、金色の目には憎しみが浮かんでいるようだった。
新「彼女の話の本当の部分は何処なんですか…?」
貴「本当の部分、というか…
微妙に話を変えてんだ。
例えば、『男』っていうのはその迫田茨。
本当は火を消したのは俺だが、その話では『私』っていうようにな。」
新「…」
僕達はまた銀さんと神楽ちゃんの捜索に走る
新「でも、別にAさんのせいじゃ…」
貴「俺はあの時…いや、攘夷戦争が終わってからずっと、誰かにずっと狙われてた。
それは分かってたのに…!!」
拳が白くなるまで強く握るAさん
後悔に歪む顔はいつものAさんからは想像出来ないくらい危うく見えた。
貴「最近急にその影が消えたから江戸に戻ってきたんだ。」
いつもより少し長くなった八重歯を強く噛み締める
貴「銀時達に何かあったら、俺のせいだ」
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そこはかとなく(プロフ) - 梍鵺さん» ありがとうございます!頑張ります!! (2020年2月2日 19時) (レス) id: 650875736d (このIDを非表示/違反報告)
梍鵺(プロフ) - 夢主かわゆす……応援してます!更新、楽しみに待ってます! (2019年10月11日 14時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
そこはかとなく(プロフ) - 暁月楓さん» ありがとうございます!がんばります(笑) (2019年6月9日 14時) (レス) id: ff8572e766 (このIDを非表示/違反報告)
暁月楓 - ゆっくり待ってます〜!楽しみぃ〜! (2019年5月25日 16時) (レス) id: 1cdd0676ea (このIDを非表示/違反報告)
そこはかとなく(プロフ) - 暁月楓さん» ありがとうございます!!頑張ります(><) (2019年5月21日 17時) (レス) id: ff8572e766 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そこはかとなく | 作成日時:2019年2月23日 0時