【銀魂】泡沫とりんご飴【沖田総悟】

1 朝 ページ3

頬に涙が伝った。


夢をみていた。


随分と昔の夢だ。



「………朝か…」



障子を勢い良く開けると暖かな光が入ってくる。


夏と言えども朝は少し涼しく快適だ。


眩しさに目を細め、ぐぐっと体を伸ばすと、とある物に目がいく。



古臭い写真たてだ。


写真たては埃をかぶりだいぶ傷んでいる。


それを手に取り軽く埃を払うとなかの写真をみつめる。


女の子と男の子が浴衣を着て仲良さそうにピースしている。


にぃっと白い歯を見せ笑っていた。



「懐かしいなぁ…」



そう。これは紛れもない、この女の子は私自身なのだ。


懐かしさに目を細めると時計に目をやる。


針はちょうど8時を指していた。


さっと着替え、髪を結うとほほをぱちんっと叩く。



「さて。今日も一日頑張ります」



誰もいない部屋にAの声が響いた。

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