story55 ページ7
無事に検問をくぐり抜け、会場となる豪奢なホテルの正面に車を停める。どうやら来賓は、全員ここに敷かれたレッドカーペットを通らなければならないらしい。運転席を降りたAは、髪は下ろしたまま運転手の帽子を被っていた。まずは助手席のドアを、続いて後部座席のドアを開ける。
「いらっしゃいませ。招待状はお持ちでしょうか？」
「こちらに」
声を出すとバレる可能性が高いため、女装三人組は動かない。代わりにAが、進み出たスーツ姿の女性に招待状(もちろん偽造)を渡した。中を確認した男が、一つ頷く。
「マリージョルご一家様、ようこそ」
(マリージョルって…クロロ、名前変…)
心中呟きながら手はず通りAは車に戻…ろうとした。
「あらあら、いらっしゃいませ！初めまして、ですわね？」
その声が聞こえてくるまでは。ピタッと動きを止めてしまったAに、フェイタンたちが訝しげな視線をやる。歩み寄ってきた女は、豪奢なピンクのドレスに身を包んでいた。キラキラとこれみよがしにつけているアクセサリーには、品性の欠片もない。まずはヒソカに、そしてシャルナークとフェイタンの順で有無を言わせず握手をする。
「主催者のレベッカ・コルニコフでございます。本日はようこそ！たしかルシルフル様のご紹介でしたわね。女だけの気楽な集まり、どうぞお楽しみくださいね」
「…ご招待、ありがとうございます。ミス・コルニコフ」
高めの声で対応したシャルナークが、ぎこちなく笑みを浮かべた。まさか主催者自ら客を出迎えに外へ出てくるとは思いもしなかったのだ。
「よろしければ、そちらの方もいらっしゃいな。貴族の集まりではないのですから………あら？」
「っ！」
ましてや、使用人もどきのAにまで声をかけてくるなんて。想定外の出来事に、Aの肩が跳ねる。俯き気味に帽子のつばを抑え、首を左右に振った。
「いえ…あの、私は」
「あら、あらあら！？もしかしてAさんじゃございません！？」
(がしっと肩を掴まれた)
(マースの元に居た時の反応が、咄嗟に出てしまう)
(つまり、蛇に睨まれた蛙に私は成り下がった)
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累 - とても面白いです！つづき楽しみにまってます！頑張ってください、応援してます！ (2020年4月6日 12時) (
レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 由宇さん» コメントありがとうございます！ちょいちょい停止しますが必ず書き上げますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ここっちさん» もうちょいで記憶が！まだわかりません！（←）でも長い目で見ていただければと思います、よろしくお願いします！ (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ゆっずーさん» 遅くなりまして申し訳ありません！いつもありがとうございます！これからも頑張りますね！ (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
由宇 - 面白いです！早く更新停止が終わることを願ってます！頑張ってください！ (2018年8月15日 11時) (レス) id: 06761224f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2017年7月10日 18時
