story51 ページ3
真夜中を過ぎて戻ってきたマチから三日間の絶対安静を命じられて、四日目の朝。
「…謹慎生活も今日で終わり、か」
次から次へと!と半ば呆れ気味に怒られた時、何よりも痛かったのは周囲の視線だ。主に、フェイタンからの。なので暇すぎる三日間、部屋からほとんど出ず言われた通り安静にした。お陰様で、熱はしっかり下がっている。傷も塞がってきているようだ。
「A、入っていいかい?」
「…団長?どうぞ」
こんな朝早くからどうしたのだろう?と首をかしげる。部屋に入ってきたクロロは、『団長』としての服装に身を包んでいた。
「身体の調子はどうだ?」
「熱は下がってるよ。怪我はマチの診察次第…かな」
「そうか。ではマチからGOサインが出たらでいいんだが…少し手伝って欲しい事がある」
「旅団の仕事で?」
「そうだ」
ベッドサイドの椅子に腰を下ろしたクロロから聞いた話をまとめると、こうだ。
今日の夜、とあるホテルでイベントが開かれる。そこに出展される『世界一大きいルビー』とやらを盗むのが、今回の仕事。事前情報によれば警備に念能力者もいない。旅団からすれば、簡単な仕事だ。ただし、ここで一つ問題が生じた。
「会場に至る道には、検問が敷かれている。まぁこれは、宝石の所有者が手配したらしいんだが…そのせいで、周辺地域には女性しか入れないんだ」
「…いや、別に真正面からいく必要無いんじゃ」
「それじゃあつまらないだろ?」
ニヤニヤと笑うクロロからは、まったくもって団長としての威厳を感じ取れなかった。それほど、ニヤついている。
「それで、Aに運転をしてもらいたい。もちろん、マチが良いと言えばだが…リハビリも兼ねて、どうだ?」
「…一つ確認したい。本当に、宝石を盗む事だけが目的?」
「もちろん違う。…まぁ何がしたいかは、この仕事に協力してもらえば分かるさ」
「…分かった。確かに運転くらいなら問題ないと思うし…」
「決まりだな。ではマチに話してくるよ」
(ありがとう、と笑う彼を見て、確信する)
(絶対、よからぬ事を企んでいるのだと)
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累 - とても面白いです!つづき楽しみにまってます!頑張ってください、応援してます! (2020年4月6日 12時) (レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 由宇さん» コメントありがとうございます!ちょいちょい停止しますが必ず書き上げますので、どうぞよろしくお願いいたします! (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ここっちさん» もうちょいで記憶が!まだわかりません!(←)でも長い目で見ていただければと思います、よろしくお願いします! (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ゆっずーさん» 遅くなりまして申し訳ありません!いつもありがとうございます!これからも頑張りますね! (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
由宇 - 面白いです!早く更新停止が終わることを願ってます!頑張ってください! (2018年8月15日 11時) (レス) id: 06761224f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯霧 | 作成日時:2017年7月10日 18時