【フェイタン】蜘蛛の糸。part2【HUNTER×HUNTER】

story60 ページ12

作戦を練り直す必要がある。そう告げたシャルナークはトイレと言って席を外した。まぁ旅団のナンバーツー頭脳が考えるのだから、なんとかなるだろう。各々は勝手に鑑賞を始めていた。


「まだやってるし…フェイタン、これはなに？」


ケースに入らない大きさの、牛の像。それを示せば、フェイタンの目がつまらなさそうな光を宿す。


「ファラリスの雄牛、という拷問器具ね。その中に人を入れる。外から炎で炙て、中にいる人間を炙り殺すよ」
「……なんでいきなり棒読み？」
「それ、悶えている人を見ることが出来ないよ。声は聞こえるが、どうせなら苦しむ表情みたいね」
「……あ、そ」
「そういう意味で、Aはなかなかいい素材だたね。平静を装いきれずに苦悶する表情、思い出すだけでゾクゾクするよ」
「……一応ありがとうと言っておくよ……」


昔の仲間なんだろ！とか色々言いたいが、全部飲み込まざるを得なかった。シャルナークが戻ってきたのだ。絵画のコーナーにいたヒソカを伴って。


「フェイタン、A。作戦決まったよ」
「それで、どうするか？」
「単純明快。ツーマンセルで動く。一方は明かりを消す、一方は盗む」
「モチロン邪魔する奴は皆殺し♠」
「電源は？」
「多分、地下か屋外だと思う。この建物には屋上は無いから。それで、その役目を二人に頼みたい。Aはレベッカ・コルニコフの気を引いてほしいんだ。気分が悪くなったとかなんとか言って」
「私、襲われるよそれ」
「そこは頑張って」


にっこり笑うシャルナークが、小柄で身のこなしが素早いフェイタンに主電源を探す指示を出す間、Aの頬は膨れっぱなしだった。


「警備はヒソカが何とかする。明かりが消えたらそれぞれでノルマの品物を盗みつつ交戦。ヒソカは絵画ね。俺は宝石、フェイタンは拷問器具」
「例のルビーはどーするの？」
「それがお披露目されてから作戦を決行するから、俺が一応盗るつもりだけど、何かあったらみんなフォローよろしく」
「もし、前みたいに痺れ薬とかで動けなくされていたら、私は誰が助けてくれるんでしょーか…」
「そこはそれ、キミのナイトの役目だろ♥」


(一瞬ヒソカをマジマジと見てしまったが)
(彼の瞳はフェイタンに向いていて)
(シャルナークもうんうんと頷いていて)
(フェイタンがぷいっと顔を背けた)

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