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ハッピーエンド10 ページ10

「Aさん?水出しっぱなしよ?」


「わ!す、すいません!」


「大丈夫だけれど…ボーッとしてたわよ?体調、悪かったら言ってちょうだいな」


「いえ、体調は悪くなくて…すいません、ちょっと考え事です」


心配そうに笑う田中さん。

申し訳なくなって、つい何度も謝ってしまった。

沖田さんとのデートの事を考えていた。

食器を洗う途中で、手を止めてまでボケーッと突っ立ってたみたいだ。

デートまで、あと二日。

あと二日で日曜日になってしまう。

女子高校生のようにワクワクしている自分がいて、ハッとなる。

…あれ、そういえば。

私、沖田さんの年齢知らないかも。

二十歳を迎えた私と同年代に見えるが、実際どうなのだろうか。


「あらAさん、いつものお客さんが来てらっしゃるわよ」


田中さんに優しく声をかけられ、ドキッとする。

も、もしかして、沖田さん…?


「今行きます!」


胸を弾ませながらキッチンから出れば、そこには確かにいつものお客様が来ていらして。


「A〜、新作ちょーだい」


「なんだ銀さんか…」


「え、何「なんだ」って。え?俺来ちゃダメだったやつなのこれ?え?」


「ちち違います!新作ですね!すぐ持ってきます!」


期待している自分がいる。

やっぱり沖田さんの事が好きなのだと、実感してしまった。

どんな服で、どんなメイクで。

会話はどんな風にしよう。

可愛らしく振る舞えるようにしなきゃ。

頭の中はいっぱいで、沖田さんに嫌われないようにと願うばかり。

あと、少しでも可愛いと思ってもらえるように。





インターフォンが鳴った。

ビクッと心臓が弾み、音を立て始める。

お、沖田さんだろうか…。

今は日曜日の午前九時。

朝早く起きて、支度を済ませた。

緊張しながら家で待機していたら、ピンポーンと間抜けな音が部屋に響いたのだ。


「は、はい」


ドアをぎこちなく、そっと開ける。


わ、わぁ…。私服の沖田さんだ…。


そこには、気だるげに片足に重心をかけながら、頭をかく沖田さんの姿が。

眠そうに大きな欠伸をひとつ。


「おはよーございやす」


紺色の引き締まった色の着物。

胸元は面倒くさそうにガバッと空いていて、余計なものは何一つなかった。

ど、どうしよう…沖田さんから色気がものすごく…。


「Aさん?ボーッとしやすけど大丈夫ですかィ?」


「あ!す、すいません!」


見とれてたなんて、絶対に言えない。

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お茶(プロフ) - アクヤさん» 素敵なコメントありがとうございます!頑張ります泣 (2019年11月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年9月1日 1時

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