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寒さに震えながらも、最近買ったダッフルコートに腕を通す。重たいリュックを背負って、少しだけヒールの高いショートブーツを履いた。
既に玄関で待機していたチャニが、顔を上げてこちらに微笑む。
「わ、そのコート、この前デートで買ったやつだよね」
「そうだよ〜思ったよりもあったかい」
「似合ってます。Aヌナ可愛い」
ありがとう、と返すと満足そうに私の頭を撫でたチャニ。
手に持っていた黒いマフラーを私に巻いてくれた。
彼にもお揃いの黒いマフラーを巻いてあげる。
よし、準備完了。
外に出ると冷たい風のふきあれていて、容赦のない寒さが襲ってきた。
私が鍵をする間に耐えきれないように後ろから抱きしめてくる。
「…動きづらい」
「ダメです?」
「…ダメじゃないけど」
しっかりと戸締りを確認して、チャニに行こう、と言うと彼が頷いて私の手を取った。
喋る度に白い息が出てきて、チャニと私の鼻先が段々と赤くなる。
今週末のデートのことや、昨日食べた夕飯のこと、些細なことを話して駅へと向かう。
ホームに行くと、朝から寒そうな顔をして不満げなぶーちゃんがちらりとこちらを一瞥した。
「ヒョン、おはようございます」
「ぶーちゃんおはよう」
「………おはよう。今日午後から雪降るらしいけどそんなヒールのあるブーツで大丈夫?」
あ、そう言えばそうだった、と零すチャニ。
「あ〜本当にさ、せめてチャニは天気予報見てきて。Aもチャニに甘えすぎちゃダメだよ」
本物のお母さんのような一言に、私とチャニは顔を見合せた。
「はーい」
「ごめんなさーい」
「……はぁ」
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夏目(プロフ) - 葵さん» 楽しんでくださりありがとうございます!ディノちゃんの小説が少なかったので自給自足しました(笑)最後のラブラブのために書いた小説なので、番外編ではもっとラブラブを書こうと考えております。お気遣いいただきありがとうございます! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - mocoさん» 一気に読んでくださりありがとうございます!!とにかくディノくんのカッコ良さにこだわって書いたのでそう仰っていただけて嬉しいです!こちらこそご愛読ありがとうございました!! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - でぃのちゃんの小説少なかったのでとても嬉しかったです!最後ラブラブしてくれて、ニヤニヤが止まりませんでした(笑)お話も凄く読みやすかったです!番外編もあるなんて、感謝でしかありません。ゆっくりで構いませんので、良ければ番外編もよろしくお願いします! (2020年9月20日 1時) (レス) id: 1b7ff15c1b (このIDを非表示/違反報告)
moco(プロフ) - チャニがカッコ良くてキュンキュンしながら一気に読みました。とても気に入りました。良い小説をありがとうございました!! (2020年9月19日 22時) (レス) id: b8fe820ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏目 | 作成日時:2020年9月14日 22時