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チャニside
ヌナはそこまで僕と身長が変わらないけど、今日は彼女がスニーカーを履いているおかげで少しだけヌナとの身長の差が大きい。
サラサラの髪の毛に指を絡めてスニョンイヒョンの電話に出た。
ヌナが悪戯心満載な顔でこちらを向いて、彼女の頭の上にあった僕の右手を取って、繋いでくる。
『やー、イチャン!フットサル!』
………今日はパフォチは休みの予定でしょう。と、突っ込みたくなるのを抑えて、
「僕今日は行けないのでパスです」
サークルの練習ならきちんと参加するが、ヒョン達のフットサルにまで毎回毎回付き合ってる僕は一度くらいヌナとデートしたってバチが当たることもないだろう。
そう思ったのに、スニョンイヒョンは少し低めの声で『なんで』と聞いてくる。
「……」
本当のことを言えばパフォチは全力で僕を止めに来るだろう。それだけは避けたくて言い訳を探していたのに、『はやく!』と急かされて焦ってしまう。
「チャナ、行ってきなよ」
囁き声でヌナが言うものだから、しー、とAヌナを黙らせた。
それなのに、電話越しに部室の扉が開く音が聞こえてくる。
『あ、ジョンハニヒョン』
スニョンイヒョンの一言に、僕の背中から一気に冷や汗が流れた。
『お、ホシ。ディノは?』
『それがあいつ来れないらしくて…』
ま、まずい。かなりまずい状況だ。初デートがヒョン達によって妨害されてしまう…!
「ほ、ホシヒョン!僕の話を……」
『あぁ、あいつ今頃デートでもしてるんじゃない?』
終わった。僕の計画。
………いや、まだ諦めるなイ・チャン。
『………デート?まさかAちゃんと?』
「ごめんヒョン!さらんへ!」
取ってつけたような『さらんへ』と共に電話を切ると、こちらを見てきたヌナの右手を取って走り出す。
「ヌナ!走ろう!」
「え、なんで」
ビックリしたヌナに事情を話している暇もないので、取り敢えず彼女の手を引っ張って走り出した。
あのヒョン達がスングァニヒョンから居場所を聞き付けて追いかけてくるまで10分もないはず。
「チャナ、足速すぎ!!!!」
「ご、ごめんヌナ!後でヌナの好きチョコたくさん買ってあげるから!今は一緒に走ろう!!!!」
そう言うと、満更でもなさそうなヌナが本気で走ってくれるので、やっぱり僕はこの人以上に可愛い人を見つけることが出来ないな、と彼女を見つめながら思った。
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夏目(プロフ) - 葵さん» 楽しんでくださりありがとうございます!ディノちゃんの小説が少なかったので自給自足しました(笑)最後のラブラブのために書いた小説なので、番外編ではもっとラブラブを書こうと考えております。お気遣いいただきありがとうございます! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - mocoさん» 一気に読んでくださりありがとうございます!!とにかくディノくんのカッコ良さにこだわって書いたのでそう仰っていただけて嬉しいです!こちらこそご愛読ありがとうございました!! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - でぃのちゃんの小説少なかったのでとても嬉しかったです!最後ラブラブしてくれて、ニヤニヤが止まりませんでした(笑)お話も凄く読みやすかったです!番外編もあるなんて、感謝でしかありません。ゆっくりで構いませんので、良ければ番外編もよろしくお願いします! (2020年9月20日 1時) (レス) id: 1b7ff15c1b (このIDを非表示/違反報告)
moco(プロフ) - チャニがカッコ良くてキュンキュンしながら一気に読みました。とても気に入りました。良い小説をありがとうございました!! (2020年9月19日 22時) (レス) id: b8fe820ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏目 | 作成日時:2020年9月14日 22時