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私は今まで、何にそんなに拘ってたんだろう。
なんで素直にこの人のことを大好きだって認めなかったんだろう。
「あは、ヌナ顔赤い」
そりゃそうでしょう。そんなチャニも楽しそうに見せているけれど、内心ドギマギしてどうにかなりそう、って顔に描いてある。
「………好きな人にそんなこと言われて、赤くならない方がおかしいじゃん」
不器用な私の精一杯の一言に、チャニが固まった。
「チャナ、さっき勘づいた、って自分で言ってたのになんでそんな驚いてるのさ」
あ、いやその、とチャニは必死に答えを考えているが脳みそが働いていないみたいだ。「夢じゃないですよね…?」と恐る恐る聞いてくるのが可愛くて笑ってしまう。
「ちょ、笑わないでくださいよ!僕本当に、だって、」
わぁ、現実だ…………と呟くチャニは、思ったよりも拗らせて(させて)いたのかもしれない。
「あの、一応、確認なんですけど、」
なぜかまだ現実を呑み込めていないチャニが、軽く挙手をして私に言う。
「僕と、付き合って、くれ、ません、か」
断るはずのない質問に、震えた声で聞いてくる。私の両手を掴んだチャニの手も、少しだけ不安げだ。
彼の両手を握り返して、私はチャニのことを見つめた。
「こちらこそ。こんな私と、付き合ってくれますか」
「よっ、……………っし……!!!!…あ、も、勿論!!!!勿論付き合います!!!!末永く!幸せになりましょう僕達!!!!」
チャニが私の手を離してガッツポーズした後に慌てて私に言ってきたから笑えてくる。私がこれだけ悩んだのが本当にバカみたいだ。
目の前で踊り出しそうな勢いのチャニ。こんなチャニは初めて見たかもしれない。
幸せになりましょう、か。……してあげられるのかな。
寂しい想い、させずに済むかな。
喜び跳ねるチャニを見ながらそんなことが頭に過った。もうあまり考えないようにしようとしても、そんな思考がくっついてくる。
「あ、ヌナのことたくさん幸せにするので楽しみにしててください」
不安げな顔をしてしまったのか、あっけらかんとそう伝えて頭を撫でてくれるチャニ。
「ヌナ、愛してます」
指ハートを作ってさらりとその言葉を口にするチャニに、心配も何もかも吹っ飛んでいきそうだ。
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夏目(プロフ) - 葵さん» 楽しんでくださりありがとうございます!ディノちゃんの小説が少なかったので自給自足しました(笑)最後のラブラブのために書いた小説なので、番外編ではもっとラブラブを書こうと考えております。お気遣いいただきありがとうございます! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - mocoさん» 一気に読んでくださりありがとうございます!!とにかくディノくんのカッコ良さにこだわって書いたのでそう仰っていただけて嬉しいです!こちらこそご愛読ありがとうございました!! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - でぃのちゃんの小説少なかったのでとても嬉しかったです!最後ラブラブしてくれて、ニヤニヤが止まりませんでした(笑)お話も凄く読みやすかったです!番外編もあるなんて、感謝でしかありません。ゆっくりで構いませんので、良ければ番外編もよろしくお願いします! (2020年9月20日 1時) (レス) id: 1b7ff15c1b (このIDを非表示/違反報告)
moco(プロフ) - チャニがカッコ良くてキュンキュンしながら一気に読みました。とても気に入りました。良い小説をありがとうございました!! (2020年9月19日 22時) (レス) id: b8fe820ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏目 | 作成日時:2020年9月14日 22時