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お昼になり、3人で慌てて大学近くのカフェに駆け込む。新作の発売日ということもあって席は既に半分以上が埋まっていたが、何とか座ることが出来た。
私は新作のドリンクと新作のサンドイッチ。
ぶーちゃんはアイスアメリカーノと新作のスコーンとサラダ。
ボノニはミルクティーとパスタ。
話すことはあったけれど、そんなことより今は空腹。3人で目を輝かせながら昼食を食べ始めた。
ぶーちゃんはアイスアメリカーノを口にして生き返ったような顔をしていて面白い。ボノニも美味しそうに食べているので3人で来て良かった。
「どうしよう…あのケーキ美味しそう」
「太るよ」
私がショーケースに並ぶケーキをちらちらと見てると、ばっさりと言ってくるぶーちゃん。容赦がない。
「それより、さっき何かあったの?」
「え」
質問した後にスコーンを1口。飲み込んだ後に質問の続きを言ってきた。
「ほら、チャニのペンケース。教室がわからなかっただけ?」
「あ、うん……それが、」
チャニがいい感じの女の子からペンを借りていた所を目撃して渡すに渡せなかった、と伝えると、ぶーちゃんがアメリカーノを1口。
「………それ見てさ、Aはどう思ったの」
「どうって、…可愛らしくていいじゃん、って思った、けど、」
「本当に?」
ボノニの方に助けを求めたが、頑張れ、と目線で伝えてくるのみ。どうやらぶーちゃんと同じ考えのようで追い詰められる。
「本当に、それだけしか思わなかった?」
ぶーちゃんが珍しく優しい口調で聞いてくるから言葉につまる。
「その子と、チャニが付き合っても、Aは幸せに見守れるの?」
トドメを刺すように言われた一言に私は俯いてしまう。
「ご、ごめん、言いすぎた……」
そんな私を見て慌てて助け舟を出してくれるぶーちゃん。別に今言わなくてもいいけど、と焦るのがぶーちゃんらしい。
私は自分なりの答えを絞り出す。
「いい、と思う。……私が幸せに見守れるかは別として。チャニにとっては、その方がいいよ」
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夏目(プロフ) - 葵さん» 楽しんでくださりありがとうございます!ディノちゃんの小説が少なかったので自給自足しました(笑)最後のラブラブのために書いた小説なので、番外編ではもっとラブラブを書こうと考えております。お気遣いいただきありがとうございます! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - mocoさん» 一気に読んでくださりありがとうございます!!とにかくディノくんのカッコ良さにこだわって書いたのでそう仰っていただけて嬉しいです!こちらこそご愛読ありがとうございました!! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - でぃのちゃんの小説少なかったのでとても嬉しかったです!最後ラブラブしてくれて、ニヤニヤが止まりませんでした(笑)お話も凄く読みやすかったです!番外編もあるなんて、感謝でしかありません。ゆっくりで構いませんので、良ければ番外編もよろしくお願いします! (2020年9月20日 1時) (レス) id: 1b7ff15c1b (このIDを非表示/違反報告)
moco(プロフ) - チャニがカッコ良くてキュンキュンしながら一気に読みました。とても気に入りました。良い小説をありがとうございました!! (2020年9月19日 22時) (レス) id: b8fe820ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏目 | 作成日時:2020年9月14日 22時