31 ページ32
戻っている間に1限が始まってしまって、慌てて自分の教室に入るとぶーちゃんが呆れた顔でこちらを見てきた。
『チャニの教室見つからなかったの』
席に着くと、囁き声でこちらに聞いてくる。
『後で話す』
そう答えて、自分のペンを取り出すと、隣から聞こえてきたのはため息。ぶーちゃんはそっと私の分も取っておいてくれたプリントを渡してくれた。
そのプリントに目を通しながら、邪魔な髪の毛を耳にかける。
あの子はきっと、チャニのことがすごく好きなんだろう。ボールペンを渡しただけであんなに嬉しそうで、幸せそうだったし。
……可愛かったなぁ。初々しいというか、見ているこちらがにやけてしまう様な。
「ソン、遅刻した理由は」
あ〜でも、チャニは気づいてるのかなぁ。あの子意外とそういう所敏感だけど………
「ソン!」
でも、あの2人が、もし、付き合ったら、
「A、先生が聞いてるから!」
ぶーちゃんが慌てた様子で私の肩を揺らす。あ、うわ、ソンなんて苗字私しかいないのに、何ぼーっとしてるんだ……
「すみません……」
急いで立ち上がって先生の方に向かい、トイレ行ってました、と在り来りな理由を並べて頭を下げる。とんでもなく怖い顔をされたけど、今回は日頃の態度に免じて出席扱いにしてくれるようだ。
ぶーちゃんがもう!なにやってるの!と顔で訴えかけたきて、ボノニがそんな私たちを面白そうに見つめる。
私は静かに席について教科書を開く。
仲がいいと思っていたけれど、チャニのまだまだ知らないことも多いんだなぁ、
なんて考えて、何故だか切ない気持ちで胸がいっぱいになった。
598人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夏目(プロフ) - 葵さん» 楽しんでくださりありがとうございます!ディノちゃんの小説が少なかったので自給自足しました(笑)最後のラブラブのために書いた小説なので、番外編ではもっとラブラブを書こうと考えております。お気遣いいただきありがとうございます! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - mocoさん» 一気に読んでくださりありがとうございます!!とにかくディノくんのカッコ良さにこだわって書いたのでそう仰っていただけて嬉しいです!こちらこそご愛読ありがとうございました!! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - でぃのちゃんの小説少なかったのでとても嬉しかったです!最後ラブラブしてくれて、ニヤニヤが止まりませんでした(笑)お話も凄く読みやすかったです!番外編もあるなんて、感謝でしかありません。ゆっくりで構いませんので、良ければ番外編もよろしくお願いします! (2020年9月20日 1時) (レス) id: 1b7ff15c1b (このIDを非表示/違反報告)
moco(プロフ) - チャニがカッコ良くてキュンキュンしながら一気に読みました。とても気に入りました。良い小説をありがとうございました!! (2020年9月19日 22時) (レス) id: b8fe820ef0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏目 | 作成日時:2020年9月14日 22時