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私が登校する頃に、後ろから走ってくる1人の男の子。
ぶーちゃんとボノニより少しだけ背の小さい、髪色の明るい彼。独特な柄のTシャツに、今日は秋口だからかチェックシャツを羽織って、黒のスキニーを履いている彼が見えた。
ぶーちゃんが彼の声を聞いて少し変な顔をした。ボノニは軽く微笑むだけ。
「チャナ、おはよう」
「今日はきちんと朝ごはん食べました?」
「うん、食べたよ」
私が挨拶を返すと嬉しそうに頷いて私の顔を見つめてくるチャニ。ぶーちゃんがわかりやすく私とチャニの間に入って妨害すると、「おはようございます、ヒョン」と戸惑ったように挨拶した。
「おはよう、朝から元気だな、イ・チャン」
「スングァナ、後輩には優しくしてあげないと」
「優しくしてあげてます〜」
なんて拗ねた小学生のような返事をするので私も笑うことしか出来ない。
「…ヒョンに優しくされたことなんて数回しか思い出せないんですけど」
「お?なんか言ったか?イ・チャン?」
「さっきからなんでフルネームなんですか」
こんな事をずーっとやりとりする2人、実はとっても仲がいい。最近私の朝に登場するようになった後輩、チャニはぶーちゃんとボノニが所属するサークルに入ったことで知り合った。
「それよりヌナ、今日、」
「あ〜お前はすぐそうやって『ヌナ、ヌナ』って、ヒョンには興味無いの?ん?」
そう、ぶーちゃんは『私に話しかけてくるチャニ』に嫉妬している訳では無い。『チャニに話しかけられる私』に嫉妬しているのである。
つまりぶーちゃんもチャニのことがお気に入りの弟なのだ。
それも多分、無自覚だ。
そんな無自覚の嫉妬、というとんでもなく理不尽な洗練を毎朝受ける哀れなチャニは、毎朝懲りずに一緒に登校していた友人達を置いて私たちに話しかけに来る。
なんだかんだ文句を言いながらも、ぶーちゃんと楽しそうに笑うチャニを見つめる。
そんなチャニは私に興味がある、というよりサークルのヒョンの皆が好きで好きで仕方がないらしい。
なんてことに最近気がついた。
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夏目(プロフ) - 葵さん» 楽しんでくださりありがとうございます!ディノちゃんの小説が少なかったので自給自足しました(笑)最後のラブラブのために書いた小説なので、番外編ではもっとラブラブを書こうと考えております。お気遣いいただきありがとうございます! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - mocoさん» 一気に読んでくださりありがとうございます!!とにかくディノくんのカッコ良さにこだわって書いたのでそう仰っていただけて嬉しいです!こちらこそご愛読ありがとうございました!! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - でぃのちゃんの小説少なかったのでとても嬉しかったです!最後ラブラブしてくれて、ニヤニヤが止まりませんでした(笑)お話も凄く読みやすかったです!番外編もあるなんて、感謝でしかありません。ゆっくりで構いませんので、良ければ番外編もよろしくお願いします! (2020年9月20日 1時) (レス) id: 1b7ff15c1b (このIDを非表示/違反報告)
moco(プロフ) - チャニがカッコ良くてキュンキュンしながら一気に読みました。とても気に入りました。良い小説をありがとうございました!! (2020年9月19日 22時) (レス) id: b8fe820ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏目 | 作成日時:2020年9月14日 22時