18 ページ19
アパートまで着くと、次の日も仕事があるオッパはチャニにお礼を言ってそそくさとその場を立ち去った。
つまり、なぜか私とチャニ、2人きり。
「…とりあえず、中、入りませんか」
気まずさに耐えられなくなったのか、寒かったのか、チャニが言った言葉に頷いて鍵を開ける。
お茶飲む?と聞けば、「ヌナがお水飲んでください」と言われる始末。面目ない……
自分の水を飲んだ後にチャニにお茶を出す。
しん、と静まり返ったアパートに、黙ってお茶を飲むチャニ。気まずさで死にそうだ。
「あの、ありがとう。あと、お友達との飲み会、邪魔してごめんね……」
静寂の中、恐る恐るそう言うと、チャニがこちらを見つめる。
「ふっ、」
え?
耐えきれなかったかのようにチャニが笑みをこぼす。
「ふ、はは、ヌナ、ごめ、申し訳なさそうにしてるヌナが可愛くて、」
ははっ、ごめんね、と私の肩に手を置いて笑うチャニに、罪悪感も少し薄れる。
「もう、私結構落ち込んで、ふふっ、なんで笑うの、ふは、」
そんなチャニに釣られて私も笑うと、彼は尚更笑いのツボにハマってしまって。なんにもおかしくないのに、はぁ、おかし、と涙が出るまで笑ってしまう。
「ヌナ、いたずらした子犬みたいな顔してるんだもん、可愛くてつい、」
そんなに『可愛い』『可愛い』と言われたら、私の気持ちも揺れてしまうのに。チャニはお構い無しに私の心を揺さぶってくる。
「ごめんね、ヌナ。でも俺怒ってないから」
目尻に浮ぶ涙を拭いながらチャニが言った。
「ただ、疲れてる時のお酒は気をつけなよ」
「………はい。気をつけます」
その日はチャニを今から家に帰すのも申し訳なくて。夜通しくだらない話をして、気づけば2人ともテーブルに突っ伏して眠ってしまっていた。
598人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夏目(プロフ) - 葵さん» 楽しんでくださりありがとうございます!ディノちゃんの小説が少なかったので自給自足しました(笑)最後のラブラブのために書いた小説なので、番外編ではもっとラブラブを書こうと考えております。お気遣いいただきありがとうございます! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - mocoさん» 一気に読んでくださりありがとうございます!!とにかくディノくんのカッコ良さにこだわって書いたのでそう仰っていただけて嬉しいです!こちらこそご愛読ありがとうございました!! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - でぃのちゃんの小説少なかったのでとても嬉しかったです!最後ラブラブしてくれて、ニヤニヤが止まりませんでした(笑)お話も凄く読みやすかったです!番外編もあるなんて、感謝でしかありません。ゆっくりで構いませんので、良ければ番外編もよろしくお願いします! (2020年9月20日 1時) (レス) id: 1b7ff15c1b (このIDを非表示/違反報告)
moco(プロフ) - チャニがカッコ良くてキュンキュンしながら一気に読みました。とても気に入りました。良い小説をありがとうございました!! (2020年9月19日 22時) (レス) id: b8fe820ef0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏目 | 作成日時:2020年9月14日 22時