恐竜くんとヌナ

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チャニのお陰で楽しいお昼を過ごせた私は、授業の時間が迫っていることに気づいて教室へと早足で向かう。

チャニは学科内でも友達が多くて人気者。しっかり者で、自分の考えも持っていて、ダンスも小さい頃からやっていて素人目から見ても本当に上手。何事にも真剣で、勉強も真面目に取り組む。

そんな素敵な後輩を持って幸せ者だな、とつくづく思う。

チャニは優しいから、私によく話しかけてくれるし、構ってくれるけど、それって少しもったいないない気もする。

チャニの周りには可愛くて性格の良さそうな子もたくさんいるんだから、彼女なんかすぐに作れそうなのに。

『ヌナはなんかほっとけないんです！』
と言って毎朝電話をかけてくれるし、遅番の日はバイト先に迎えに来てくれることまである。

ただの仲のいい先輩にそんな事までしなくていいんだよ、って言ってあげればそれだけなのに、チャニの隣は居心地が良くて。

チャニが離れていくことが少し、いや大分寂しくて。

こんな関係をズルズルと続けてしまっている。



次の講義は1人で取った授業だ。ぶーちゃんやボノニとは学科が一緒なだけでゼミまでは同じじゃない。

選考しているものが違ったりするので、授業が被らないことも多々ある。

今頃空きコマの2人はミッチリ練習やミーティングしているんだろうなぁ、と考えると大変だ。

スングァニとボノニとは、『友達』。分かりやすくて気楽で、明確。



じゃあ、チャニとは。

チャニと私は、今、一体どんな関係なんだろう。

たまにふと、思うことがある。

けれどそんな思考は先生が現れると一旦、置いていかれてしまった。

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