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部屋中に鳴り響くアラーム音。布団の中でもぞもぞと重たい体を動かして、なんとか腕をスマホまで伸ばす。
あと3センチ、2センチ………
ダメだ。微妙に届かない。私の右手はそのままパタリと動きを止める。
布団ごと体を動かして、うっすらとまぶたを開いてスマホのアラームを止めた。…そして、もう一度瞼を閉じる。
5分後にスヌーズ機能で起こしてくれるアラームを信じて再び眠りにつこうとすれば、今度は着信音が鳴り響いた。
「…………………」
その音に眉をひそめながらも、もう一度スマホに手を伸ばして。寝ぼけまなこで着信に出る。
『おはようございます、ヌナ』
「おはよう………」
目を擦りながらなんとか体を起こして、彼の電話に受け答えする。昨日はバイトが遅番だったせいか、いつも以上に体が重たい。
『今日はすぐ出れましたね、珍しい』
「うん、ありがと……」
彼が電話越しでクスリと笑ったのが聞こえる。でも眠たさがピークの私はそれどころではない。部屋の奥にある鏡に映った自分は、寝癖が爆発していた。
『ちゃんと間に合うように準備してくださーい』
「はいはい。また学校でね」
『僕待ってますからね』
わかったよ、ありがとう〜と言って電話を切る。
通話履歴には、『イチャン 1分32秒』の文字。
1日前は2分12秒、3日前には45秒。
たまに友人との通話履歴が挟まるものの、ほとんどはチャニとの1分ぐらいの通話ばかり。
そんな光景になぜか不思議な気持ちになりながらも、そんな事ばかり考えている暇もないのでそっと立ち上がった。
ここからもいつも通り、顔を洗ってスキンケアをして、軽く朝ごはんのバナナを食べて服を選ぶ。
歯を磨いてメイクをして髪の毛を整えて。
「いってきます」
と呟いて、朝の清々しい空気に包まれた外へと足を踏み出した。
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夏目(プロフ) - 葵さん» 楽しんでくださりありがとうございます!ディノちゃんの小説が少なかったので自給自足しました(笑)最後のラブラブのために書いた小説なので、番外編ではもっとラブラブを書こうと考えております。お気遣いいただきありがとうございます! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - mocoさん» 一気に読んでくださりありがとうございます!!とにかくディノくんのカッコ良さにこだわって書いたのでそう仰っていただけて嬉しいです!こちらこそご愛読ありがとうございました!! (2020年9月20日 9時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - でぃのちゃんの小説少なかったのでとても嬉しかったです!最後ラブラブしてくれて、ニヤニヤが止まりませんでした(笑)お話も凄く読みやすかったです!番外編もあるなんて、感謝でしかありません。ゆっくりで構いませんので、良ければ番外編もよろしくお願いします! (2020年9月20日 1時) (レス) id: 1b7ff15c1b (このIDを非表示/違反報告)
moco(プロフ) - チャニがカッコ良くてキュンキュンしながら一気に読みました。とても気に入りました。良い小説をありがとうございました!! (2020年9月19日 22時) (レス) id: b8fe820ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏目 | 作成日時:2020年9月14日 22時