Call My Name ！ Ⅱ (ページ9)

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　ふと、少し体育館が騒がしくなった。…男子バスケ部だ。半面貸してもらってるのだが、もう半面で練習をする様子。

　その中に黄瀬の姿があった。アイツは普通に立ってるだけでも身長で目立つからすぐにわかる。

　今の時間だけなら練習、少し見れるかな？…………ってだから、なんで私がアイツの練習なんて＿＿＿

「……………ここまでわかった？じゃー練習してみよっか！

　鷹村さん！バトンタッチ！」

「！わかっ＿＿＿＿＿あ、」

　ぐらり、身体の平衡感覚が揺れる。自分を支える足がガクン、と踏み場を無くしてる。あ、これ落ちる奴＿＿＿＿＿

　ドサアッ！！

「ッ！」

「！？鷹村さん！？」

「「「「！？」」」」

　私は、壇上から落ちた。注意力の散漫、立ちくらみ、足元を見てなかった……………

　どの理由も自分の不注意からくるものだ。副団長が駆け寄ってきた。

「だ、大丈夫！？鷹村さん！？」

「大丈……………ッ」

　ズキッ、と痛みが走る。痛みの原因、それは膝の擦り傷だった。痛いけど自分の注意が足りなかったが為にできた傷である。それなのに副団長は騒ぐ。

「わ、膝すりむけてる！」

　ああ。ついてない。だからこんな練習したくなかっ＿＿＿「センパイ！」………？

　聞きなれた声が、鼓膜を揺らした。そしてふわり、と身体が浮く。見ると＿＿黄瀬。黄瀬が私を抱き抱えてる。所謂お姫様抱っこ、と言うやつで。何が起きたのかわからない。は？で頭がいっぱいだ。

「は、ちょ、黄瀬＿＿＿「保健室、行くっす」え、まっ、うわっ」

　黄瀬はそれだけ言うと走り出す。道行く人に「黄瀬かっけー」とか「涼太くんのお姫様抱っこいいなー」とか言われる。なんだか凄く恥ずかしい。私は自分の顔を手で覆った。