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＊
ガツガツムシャムシャバクバク…………！
｢………｣
目の前にはこれでもか、と言わんばかりに山盛りにされたハンバーガー、ポテト、チキンナゲット、シェイクを一心不乱に頬張る朱の姿があった。普段から余り食べない人からは想像できない姿。
それを見ながら目の前に置かれたジュースに黙って口をつける俺。
朱センパイに連れられた俺は有名ハンバーガーチェーン店マクトナルトに直行。減量とやらで空腹だという朱センパイは山のように注文をして、それを貪ってる最中である。
あまりの食べっぷりに黙ってしまいそうになるのをグッ、と抑えて俺は口を開いた。
｢センパイ、今日の試合凄かったっすよ！俺、感動したっす！それに衣装も綺麗で＿＿＿＿｣
「すまないが今はよしてくれ。食うことに集中してえ」
｢食べながら聞いててくれて構わないっすよ！人があんなに集まって、会場の中も暑くて、皆が朱さんの応援をして………
そんで相手のパンチひょいひょい躱してからの朱センパイのあのラッシュ！痛快だったな〜！あ、あと1本結び、凄く似合ってました！｣
｢あれくらい普通だ。私は出来ることをしただけ｣
「ぶは！インタビューと一緒！」
｢…それも見てたのか｣
「もちろんすよ！ああ〜〜〜〜センパイ、かっこよかったっす〜、シビれること沢山言ってて…………」
｢特別なことは言ってない。思ったことを言っただけだ｣
朱センパイはさもつまらなさそうにシェイクを口に含む。………つーか山のようにあった食べ物がもうないぞ、もう食い終わったのかこの人？こんな小さい体のどこに入るんだ………
「まあ、なんだ………見に来てくれてありがとう」
「どういたしまして♪センパイのファンになったんでこれからも見に来ますよ♪だってセンパイちょーかっこいいし♪」
｢………かっこよかった、か。そんなことない。結構危なかったシーンがあったしな｣
「え、ほんと？…………またまた〜、だってセンパイ1発も当たってないじゃないすか 」
｢それは結果論だ。試合への集中が足りなかった。下手すれば1発貰ってた。………かっけえとは言えねえよ。
まあ、だから、勝ててよかったとは思う｣
「………！」
センパイが、笑った。練習試合の時と同じ笑み。どき、とまた胸が鳴る。でもそれと同時に、疑問を抱いた。
「……ほら、帰るぞ。」
「……はいっす」
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作者名：O | 作成日時：2021年10月29日 16時
