平和主義の殺人鬼【ツイステ】【男主】

15話 ページ17

クロウリーside






ｸﾛ「さて、殺戮の国についてのことは大方分かりました。ここからが本題です。」




本題？と首を傾げるAくんに、ひとつ頷く。




ｸﾛ「貴方にはここの常識を身につけてもらい、安全安心な学園生活を送ってもらいます。」




郷に入っては郷に従えと言うでしょう？



私がそう言うと、Aくんはパァッと顔に花を咲かせる。


おや、意外な反応ですね。





ｸﾛ「他の先生方にも殺戮の国について話しても大丈夫ですか？先生方には貴方の指導も頼みたいので詳細を知っておいた方が良いかと…。」




『はい、大丈夫ですよ〜。』




ｸﾛ「分かりました。貴方の寮長であるローズハートくんにも、教育係としての役目を与えています。もし善悪の判断に困ったら、ローズハートくんに聞いてくださいね。」




『はい！』




元気良く笑顔で答えるAくん。




こうしているだけなら、可愛い生徒なんですがねえ。



この学園にしては珍しく愛嬌もありますし………

あといらないけど殺意も……。





ｸﾛ「では、そろそろ寮へ戻りましょうか。鏡舎まで案内しますよ。私、優しいので。」




『ありがとうございます！』






さて、これでひとまずは彼の様子を見てみましょう。



すぐに慣れることは難しいでしょうが、
徐々に物騒な考え方が変わってくれるといいのですが…。





Aくんと軽い雑談をしながら鏡舎までの道のりを歩いていると、大食堂からガシャァァァン！！！と大きな音が。




『それで〜、僕と同室の子が＿＿＿』



そして音に物怖じしないどころか、一切の反応を見せないAくん。




ｸﾛ「ちょ、ちょちょっと待ってください！！？今の音聞こえましたよね？」



『？はい。あっちから聞こえた音ですか？』



ｸﾛ「…貴方、なんで平然としていられるんですか？」



『いつも何かしら大きな音がしていたので…。』



そうだった…この子はそういう環境で育ったんでしたね。






ｸﾛ「とりあえず、音のなった方へ行ってみましょう！ああもう、次から次へと！！この学園は一体！どれだけ問題を起こさないと気が済まないんですか！！！」




『大丈夫ですよ学園長さん！！僕の学校の方が酷かったですから！！』



ｸﾛ「全然励ましになってないですよ！！！」

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