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「信じてくれなんて言わない。でも、これだけは知って欲しい。僕と傑が、君に救われてきたこと。また会えて、凄く嬉しいって、思ってる事。…何回も、殺してしまった事を、謝りたいって思ってる事」

 宝石を落とすように涙を流している。

 なんで答えたらいいのか分からず、黙りこくるAを見て、またポロポロと許しを乞うように泣き続けている。

 感謝されたくてしていた事じゃない。
 謝ってほしいとも思ってない。

 だってそれは、もうとっくの昔に捨ててきたものだったから。

 彼等が絶望してしまう理由は1から100まで理解している。
 だから、それに巻き込まれる自分が悪いのだと考えるようにして、心を保っていた。

 彼等は何も、悪くない。
 でも、今は。

「ごめん、なさい。今は…よゆう、なく、て…」

 素直にふたりの話を聞ける精神状態じゃない。

 信じられない、信じたくない。心が緩んだ瞬間その目に殺意が宿るかもしれない。

 そんな風に、ふたりを悪く思いたくない気持ちが混ぜこぜになって気持ち悪い。

 喉の奥が苦しくて、鼻がツンと痛くなる。

「……すまなかったね。こんな話をしても、驚いてしまうよね。…何か、困った事があったら頼ってほしい。仕事の事でも、生活の事でも、なんでも」
「僕でも、傑でも、硝子でもいいからさ。なんでも言ってね。…それで、さ。許してくれるなら、また…話がしたいな」

 また、優しい声だ。
 そんな優しい声と表情を向けられたことがないから、どう反応していいのか困ってしまう。

 五条がAに手を伸ばしかけて、ハッとして戻す。
 ギュッと眉をひそめて立ち上がり、堪えるように笑った。

 ふたりのそんな顔を見るのは嫌だ。
 親友を失って泣いていた彼等を思い出すから。
 けれど、そういう顔をさせているのは紛れもない自分だ。

「……」

 静かにAは頷く。今できる精一杯の返事だったから。
 だが、五条と夏油は心底安心したように肩を落として、部屋を出ていった。

 『また明日』と、手を振りながら。

 

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(プロフ) - 早く続きが楽しみです!泣いちゃいました更新楽しみに待ってます。 (3月29日 23時) (レス) @page33 id: 53e14be78c (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 最高です!!泣きました (3月28日 5時) (レス) id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - とても面白いです!更新楽しみに待ってます! (3月26日 21時) (レス) @page24 id: 4ea54ee5be (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - 面白いです!24時間が待ち切れない…!明日も楽しみにしております。 (3月23日 21時) (レス) id: f9511cc749 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なっしー | 作成日時:2024年3月21日 18時

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