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「ぁ…」
「……あ。ご、ごめん、そういうつもりじゃ…」
五条悟の慌てた声が混乱する脳に響く。
ゆっくり伸ばされた手に、過剰なほど肩が跳ねた。
「…だい、じょうぶ、です。……ごめ、なさい。すこしこんらんして…その、本当に、大丈夫…です」
目の前の彼等が、高専時代のふたりと重なる。
早く落ち着いて言葉を述べたいのに、息をする度恐怖が襲ってくる。
だって、いきなり思い出したなんて言われても頭が追いつかない。
それなら、最初の頃のAだって思い出したはずだ。
何も出来なくて、無能で、彼等に嫌われてきた羽柴Aを。
二度と思い出したくもない記憶。好かれる要素も何も無い、ただ目障りだった頃の自分。
「……ごめんね。A、驚かせちゃったね」
「悟は君を傷つけようとした訳じゃないんだよ。…信じてくれとは、言わないけど」
「はぁ？僕そんな信用ないわけ？」
「悟」
まるで幼子に言い聞かせるような緩やかな声だった。
軽い言い合いも昔のまま。
ごめん、と言葉が落ちる度、本当に安心させようとしているのだと伝わってくる。
優しくしてから殺すのだろうか。
そんな最低な思考が浮かぶ。今更差し込んできた光を、簡単に受け入れられる器なんてなかった。
「…しごとの、話を。学長…おねがいします」
今更どうやって関わればいいのか分からず、ふたりを無視する形で距離をとる。
傷ついた顔でこちらを見てくるが、そんな彼等にどうしていいかわからず、目を背けることしか出来ない。
そもそも、ここに来たのは乙骨憂太のカウンセリングの為だ。
五条悟と夏油傑、そして家入硝子と仲が良かった羽柴Aになら任せられると、夜蛾から連絡が来たから。
仲がいいなんてとんでもない。
ただ、死にたくなくて取り繕っていただけだ。
救いたくて、やり直し続けていただけ。
彼らの行動パターンに自分を当て嵌めていただけの、結局は何も変わってない無能。
そんな私でも、頼ってくれた。
その事実が嬉しくて、ノコノコとここに戻ってきたわけだ。
羽柴Aにこそカウンセリングが必要だとか、そういうのは置いておくとして。
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妙(プロフ) - 早く続きが楽しみです!泣いちゃいました更新楽しみに待ってます。 (3月29日 23時) (
レス) @page33 id: 53e14be78c (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 最高です！！泣きました (3月28日 5時) (レス) id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - とても面白いです！更新楽しみに待ってます！ (3月26日 21時) (レス) @page24 id: 4ea54ee5be (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - 面白いです！２４時間が待ち切れない…！明日も楽しみにしております。 (3月23日 21時) (レス) id: f9511cc749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なっしー | 作成日時：2024年3月21日 18時
