女版。30 ページ31
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まふくんのマンションまであと少し。
彼の家にお邪魔するのは3回目だ。
もう道は覚えているし、約束の時間までまだ少しあるから、ゆっくり歩く。
あっ、そういえば今日一回も呟いてないなぁ。
良い子のみんなは真似しないで欲しいが、歩きながらツイート。
今夜8時から何か〜、とだけ呟くと、すぐに反応が返ってきた。
そこにはそらまふうらさかのゲーム配信のことも書かれている。
おぉ、さすがリスナーさんだ。鋭い。
なんて、スマホを見ながらニヤニヤしていると、前から歩いてきた男の人とすれ違った時、すっと手を取られた。
「わっ!」
びっくりして転けそうになったとき、ぎゅっと抱きとめられ、その男の人の胸にすっぽりはまった。
いまいちどういう状況かわからない。
「あっ、すみません!」
その男はごめんごめんと軽く謝り、離れたのは良かったが気持ち悪い目つきでじっとりと見てくる。
うーん、絶妙に気持ち悪い。
「お姉さん暇?よかったら俺と晩御飯食べない?」
ナンパ?!
こんな街中であるんだね。
はぁ、と心の中でため息をつくと、目の前のチンピラが下から顔を覗き込んできた。
「どうしたのー?もしかして緊張してる?」
「あぁ、ごめんなさい。私今から用事があるので。」
「えー、そんなのいいじゃーん。彼氏?」
「彼氏です。なので、すみません。」
彼氏じゃないけど。
一応申し訳なさそうに謝っておく。
だって癪に触ったら面倒だもん。
「へぇ、俺、その彼氏よりモテるよ?」
なるほど。
なかなか鋼メンタルだ、こいつ。
どうしようか。
出来るだけ穏便に済ませたいんだけど。
うんぬんかんぬん悩んでいると、相手がしびれを切らしたのか、ぐっと私の腕を握った。
「いたっ」
「いくら美人でもタラタラされると腹立つんだわ。ほら、いこーぜ。」
さっきまでのヘラヘラ顔はどこへやら。
苛立って私の腕を強引に引いた。
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藍色の風 - コメント欄失礼します!女版。10(ページ11)のところ、誤字ってますよ!妄想感傷代償ではなく、妄想感傷代償連盟ですよ! (2019年1月11日 23時) (レス) id: 46fd2a813a (このIDを非表示/違反報告)
轟厨 - 誤字ってますよ! (2018年7月30日 2時) (レス) id: 6e2e45da36 (このIDを非表示/違反報告)
をんぬ(プロフ) - いちご飴さん» 初めまして!コメントありがとうございます!そうなんですか!歌い手さん、憧れますよね〜!ありがとうございます、更新頑張ります! (2017年12月17日 2時) (レス) id: 813ed47718 (このIDを非表示/違反報告)
いちご飴(プロフ) - ふおおお!!めっちゃ面白いです!!私歌い手さん(特にまふまふさん)が大好きで…。私歌い手をしようと考えてて、この小説読んでたらニヤけが止まらなくて…!!更新頑張ってくださいね! (2017年12月17日 0時) (レス) id: e995f3fc57 (このIDを非表示/違反報告)
をんぬ(プロフ) - 現実逃避者=RENさん» はじめまして! めっちゃ褒め倒しじゃないですか…嬉しいです照れますw 更新速度結構気にしてたので、そう言ってもらえて嬉しいです!ありがとうございます!頑張ります! (2017年12月10日 15時) (レス) id: 813ed47718 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:をんぬ | 作成日時:2017年12月9日 16時